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第三話 「寿司屋の仕事」


出刃のカーブ使いについては、色々な方からメールを頂きました。
その中で、研ぎに置ける、カーブの維持についての問い合わせが多かったので
時間が出来次第、特集にて個人で出来るカーブ維持のイロハを書こうと思います。

昨日の続きです。

アジを捌いたのち、そのアジを使って師範にお寿司を握って頂きました。

この時、寿司ネタ用にアジを切るわけですが、青一鋼水本焼で切った方が切り口は
綺麗だと師範は言って居られました。 見た目も重視する場合、艶のあるネタが乗った
寿司は目と舌を楽しませるような気がします←料理レポーターのような表現です・・。


上田屋って。。河豚屋さんでしょ?? 寿司??っと思われる方の為に・・・。
師範は、寿司屋さんでも修行をされていまして、噂では超凄技を持った親方の元で
色々な事を学んだので、美味しい寿司を握る技術をお持ちです。



今回は師範の優しさに包まれまして、寿司の握り方を口で説明しながら、スローモーションで
見せて頂いたり、この時、握っている人は何を考えているか!!なども教えて頂きました。

普通ならあり得ない状況ですね(^^; 初めは、握っているのを見て、出来たの横でパクパク
食べていましたが、 握ってみたくなって、挑戦しました。。

結果、、  握れますよ・・・  おにぎり風に(笑)


イカの身で握らせてもらったのですが、ネタはもっちり!しゃりもモッチリ!(^^;
それはオハギのような寿司に(><) わさびも付け過ぎで、涙が止まりません・・・。


カウンターに座っている常連さんからは、
「達哉君、握る時に力入り過ぎやわ~ 肩入ってるし! わさび付け過ぎやし!(笑)」


師範の握りは、鰺なら鰺に合わせた握りを行い、イカならイカに合わせた握りを行います。
同じバランスで、口の中から消える感じでしょうか。。。広がり方が違う!
100円のくるくる寿司に慣れ親しんだ僕にとっては、これが寿司職人の技術かっと・・・。
ネタを持ち、口に入る大きさも計算してシャリを掴む!! ん~~ 素晴らしい♪


僕の握り寿司体験は、まあさて置き。。。

師範が本当に見せたかったのは、寿司屋の仕事の流れ!
寿司ネタ用を切り、手水に酢を使い、シャリ掴んで握る。。 簡単そうに思えるのですが、
その仕事量は結構な物です。 忙しくなれば包丁をゆっくり拭いて~~ っと言う時間は
そんなに無いのでは?? っと思ったりしました。

でも、包丁を錆びさせると大変なのは知っているので、気になるけどオーダーは通るし・・
そういう事を考えた時、包丁の部分に気を使わないでOKなのがINOX本焼だと。。。。
色々と追い回される若手には特にお勧めしたいと以前から言って居られました。


包丁は鋭く切れて、切れ味が長く保てる、これが良い包丁の基本条件ですが、
それ以上に調理師さんを精神的にもサポートする包丁、良い意味で包丁に気を使わない
料理に集中出来る包丁と言う意味を考えると、INOX本焼エエのでは無いかと思うのです。


炭素鋼系もちゃんと、拭けば大丈夫だと思うんですが・・・。


前々から思っていたのですが、師範はいつも自分の手法と一般的な手法を教えて下さいます。
「俺はこうやった方が早いけど、基本的にはこうです。」っと言う感じです。

この感じ、、誤解を招かないと言うか、押し付けが無いと言うのか。。。
基本と、例外を教えて下さるので、かなりありがたいです。

本当に、何も知らないので、「これはこうやで!」っと言われると、それが基本だと思って
しまいまうと思うのです。 「俺やったらこうするなぁ~」っと言う伝え方は上に立つ者??
師範として?親方として? とても良いように思うのです。


僕は、包丁屋なので料理を極める方向へ行くのとはちょっと違うのですが、
そんな僕にでも、「包丁屋として知ってて損は無い!」と調理場の事を教えて下さる
師範に感謝です。 


今度は、鱧の骨切りに挑戦です。。取りあえず色々な事に挑戦したいデス。。
師範、、また出来の悪い弟子が行きますので宜しくお願い致します!!


第二話 「切っ先カーブの生かし方」


昨日の続きです。

人によって様々な形状を好まれますが、切っ先カーブの有効利用?生かし方を
確認したくて、師範の選魚眼?にて良い魚を仕入れて頂きました。

普通ならココに写真が。。。あるハズですが、今回は撮影していません(><)
ブログ書く者として成ってない。。。

いつもの事ながら、師範の手取足取りの説明などを受け鰺の捌き方色々を
教わりました。 以前に師範が「この部分が一番力を使える部分!」と言って
いたのを実際に見て、体感してきました。

この力を使える部分と言う表現は難しいですが、刃元(アゴ)が力が乗るとも
言えますし、鋭利に尖った切っ先が切れる?刺さる?力が掛かる?とも言えます。

この意味としては、捌き(切り)に行った時の切っ掛けとして力が乗ると言う意味だと!
刃が反っているので、切ろうとする力をこの部分に集めて、切り開くイメージです。

kissaki0616-1.jpg
この指の間で捌いて行くイメージでしょうか・・・。
kissaki0616-2.jpg
鯛焼きのような鰺の絵です。笑って下さい。。ププ
こんな感じで、刃の腹(カーブ)を使って魚を切る切っ掛けを得て行く感じです。

この状態から一番最初に魚を切るのは押しても、引いても切っ先カーブとなります。
カーブがある事で、スムーズな捌きを行えるのかも知れません!

カーブは切っ掛けだけかよ?? 

そう思うのですが、師範は三枚卸の時もカーブで身を切っていました。
優しくカーブを鰺の身に押し付けるように滑り込ましながら、
切っ先は中骨コツコツを感じる! 最後だけ切っ先をククっと使って切り抜く感じです。

本当は、動画が有れば。。。捌きの動画をUPして欲しいと要望があったような。。。
師範に相談して、裏上田屋講座ページを・・・。実現させたいと思っております。

これとは、逆にカーブは必要無い!直線が良い!と言う調理師さんも居られます。
それはそれで、メリットがあると聞いています。

しかしながら僕個人としては、カーブがあった方が捌き易い感じがしています。
「あっても無くても結果は一緒ちゃうんか~~」っと言われるとシュン太郎です・・・。



記憶では活け鰺を師範が捌いて三枚に卸した時の出来事ですが、、、
魚の捌きも究極に近くなれば、切るという表現よりも開くという表現が良さそうな気が。
師範の三枚卸をマジマジを見ましたが、卸した身に骨の跡が付いてる状態で開かれ
てきました。骨から身を離す感じの三枚卸です。 (写真撮るべきでした・・。)



もう少し、文章で上手く説明出来るかと思いましたが、やっぱり難しいですね、
やっぱり動画を何とかせねば! (こんな事書いてますが、包丁屋のブログです。)



明日は、「達哉人生初の寿司を握る」です。 捌いた鰺やモンゴイカを使って握り寿司を
教えてもらえました。 結果的に、握れてません(笑) お楽しみに!


第一話 「青一鋼水本焼フグ引」  

金曜日の夜、上田屋さんへ行きました。

今回は、青一鋼水本焼ふぐ引の感想を上田師範に伺いたかったのと、
鰺の捌きをもう一度!出刃庖丁切っ先アールの有効利用法について!

生意気にも、師範に鰺の仕入れをお願いしまして・・・。

天然の鰺と、養殖の活け鰺をご用意して頂きました。


長くなると読みにくいので、この件は連載にします!



今回は、「青一鋼水本焼フグ引」

この包丁の所有者はロック大澤氏で、数年前にお買い上げ頂いた両鏡面
黒檀銀巻目釘付柄の20万円台の包丁でございます。

青一鋼は滑り易いと言うイメージが強く、刃持ちは良いのがメリットか?っと
思っていました。 しかし、水本焼と言う事、砥石の相性が合ったと言う事も
あって、本刃付けにて研ぎを入れた具合は、ビックリする程爪に掛かりました。

フグ引なので、鐵刺を引かなければです! なので、フグ専門の上田師範に
インプレをお願いした次第です。

フグは、昨日捌いた上身と当日捌いた上身をご用意頂きまして。。。
引き比べて頂きました。

一日置いた方は、サクっと入る印象! 当日の物は滑る印象!

大まかに言えば、師範の印象はそのような感じです。


これで解る事は、フグを捌かれた状態で仕入れる?締まった状態の身を扱う
お店は、この包丁は滑らず良く切れると言う意見になると思います。
逆に、捌いて直ぐのピクピク動く身を引くお店は、滑る印象になるのかと・・。


実際に、自分でも両方の身を引かせて頂きまして、体感してきました。
活けフグ?の方は包丁を押し返してきます。(切らせてくれない感じ)
活きの良い身はどんな包丁でも押し返すのかも知れませんが・・・。
これが白一鋼だと、押し返す事なくサクサク入るのかなぁ~っと想像しつつ・・・。


しかしながら、この青一鋼でも切る技術が伴った人は使いこなせると思います。
次に書きますが、切り口が綺麗に仕上がるメリットも大いにあります!!これは次に♪


こんな事を言い出すとキリが無いのかも知れませんが、お店でどんな状態の
魚を扱うかによって、薦める包丁が変わってくるのかもしれません!
「究極の切れ味 青一鋼水本焼」などは間違いでは無いけれど、万人に
究極では無いかも知れないと・・・。


将来的に理想としては、メリットデメリットを説明出来る包丁屋になりたいと思うのです。


続く 次回 「鰺を捌く~切っ先カーブの生かし方」
プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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