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土井逸夫さんと。


土井逸夫氏と、包丁の改革?改善?研究?をし始めました。

今のままでも十分に良いのですが、
もっと良い状態にするには、ど~したら良いのか?

それは形状であったり、研ぎ易さであったり、鋭さであったり様々です。

刃研ぎの面では目に見える部分が多く、解りやすいのですが、鍛冶屋の所は
目に見えない事が多くて、実際に作って、刃研ぎ職人さんに意見を聞いて、
実際に本刃付けして、使って!初めて解ってきます。

そもそも、包丁は切る為の道具なので、板前さん判断が一番正しいのですが、
それぞれの好みもあって、的を絞りにくいので、酔心にて基準となる物を得て
鍛冶屋さんの特性を板前さんにお伝えしております。

お客様からの依頼もありますが、鍛冶屋さんの状態を知る為に本刃付けをしたりしています。
職人さんも同じ工程を繰り返していても、日々進化していて、その様子を確認してる感じです。
最近では、富樫さんの白二鋼に変化がありました。

そんなこんなで、土井さんから実験用の包丁を2つ預かりました。

2018-6-21.jpg

もしかすると、前のままの方が良い可能性もあります。でも!もっと良くなるかも知れません!!

土井さんも思考錯誤、日々修行な毎日です!

訃報

2017年11月12日午後

僕の大好きな職人さんの一人、土井敬次郎氏が亡くなりました。 90歳でした。
刃物業界に入った時から、とても好意にして下さり、多くの事を教えて下さいました。
「困った事があれば、何でも言って来い!」っと言われた時の事を思い出します。
どんなにアイケの庖丁を出しても、板前さんの為に切れ味、刃持ちを優先して
一切ブレる事が無かったです。

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今日、通夜で敬次郎氏に対面してきました。
人生を全うした、幸せそうな顔でした。

ブログをご覧の皆様も一緒に冥福を祈って頂ければ幸いです。

歴史ある砥石達


お盆休みも過ぎました。

今年は台風が来たりしたので、遠くに出掛けたりせず、
警報の出る最中、会社で仕事をしたりしていました。

お盆休み前に1日だけ免許更新の為、お休みを頂いて
自宅でのんびりしていたのですが、堺刃物-刃付部門の重鎮-
小田さんから、突然の電話!

「おう!何してんのや? もう仕事仕舞うから天然取りに来いよ!」

仕事を仕舞う=刃研師としての仕事を終えると言う意味。

前々から、辞める時は砥石あげるから来い!と言われていたのですが、
「もう、辞めます?」なんて言えませんよねw

自宅でのんびりモードから、一気に出撃モードに切り替わり、
1時間の道のりを経て、小田さんの工場へ!


砥石もらって、はい、さようなら~ なんて事はもちろんありませんw

刃付部門の重鎮な訳ですから、もちろんインサーダー情報を聞き出すべく
あれこれ質問したり、それ以上に教わったりで内容の濃い3時間を過ごしました。

「お前は、コレと、アレと、こんな事も、覚えておかなアカン!」

ってな具合で、古い包丁やなども引っ張りだして、イマドキの人に見せても、
到底何に使うのか解らない包丁などを目の前に、昔話を懇々と聞きました。

土井敬次郎氏のお父さん(一雄さん)の包丁も見せてもらいました。
鋼の色は今の物とちゃいますね・・・。 古いからかな? ゾクゾクする鋼色ですw
細かい所まで透かして見ましたが、現在の逸夫氏にも内容は受け継がれていそうです。

2014-8-11.jpg

写真は、頂いた砥石達の一部ですw

備水、天草、本山、巣板、天草、試作品(鏡面用)
これらは、全て30年前に揃えた物らしい。

プロが使って30年も使えるんか!!っと思われそうですが、プロ故に一度に6本前後
買う訳です。 刃付職人と言えども天然は仕上のみで使うので、これらの砥石を
ガンガン使う訳ではないので、6本を徐々に使い最終に残った砥石達です。

当然ですが、メチャクチャクオリティーが高い砥石です。

こんなに頂いていいんですか? っと確認したのですが、
「お前以外、誰が使うんやw」 と言われました。。 砥石オタクと思われているのでは・・・w

試作品の緑色な砥石は、鏡面仕上げにする用に一般向け販売しようとして
作った砥石らしいです、、、かなりの年代物で、、どうして製品化しなかったのか、
実際に研いでみて、考えてみようと思いますw
予想:鏡面になるけど、刃が付かないパターンか、鏡面にならないか!


本刃付け依頼でご注文を頂いている包丁が沢山あるので、これらの砥石を使ってみようと思います。


男の背中


今日は、工場見学で池田美和氏の工場へ行きました。

2014-4-24.jpg

新しくミラーレス一眼を得たので、試し撮影してみた。


池田さんは、温度とか、叩き方(鍛え方)に理論を持っている。
自分自身の理論を実体験で得る為に、試行錯誤をしている事もあって、
色々な事を知ってます。

妙な質問をしても、だいたい答えが返ってくる。

これで間違い無い!っと言い切る事はなく、「私の経験では、こうなった!」的な。。

他の鍛冶屋さんなら、違う答えを持ってるかも知れない!っという事です。

まだまだ、修行中と言うオーラを感じます。


見学+取材を通じて、インサイダー情報を色々ゲット出来た!
ちょっと知識が増えると楽しいですね^^


今日の堺は気温24℃! すでに鍛冶屋さんの工場は暑かったデス。

取材でした。


昨日は、朝から海外のジャーナリストによる取材でした。

土井さんの工場に行き、敬次郎氏に会いたいっとの事で、
わざわざ、敬次郎氏に工場へ来て頂いての取材でした。

少しだけ横で取材内容を聞いてましたが、敬次郎氏いわく、
鎚を持った腕が上がるなら、まだまだ庖丁を作りたい!っと。。。

鎚を置いた後でも、あ~したら、こ~したらっと思う事があるようです。

仕事止めたら手が綺麗になったわ~
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現役の時は、手のしわに煤が入って黒くなっていたのです。


IMG_0883.jpg
「暇してるから、いつでも呼んでや~~」っと言ってました。。
僕も、ビデオカメラ持ってインタビューしておこうかな。


余談ですが、敬次郎氏は工場では作業服で、
仕事終わりで庖丁を納品する為に、酔心へ来る時は写真のようなジャケット姿でした。
ネクタイまではして来ませんが、敬次郎氏なりの礼儀を感じていました。
作った庖丁を嫁に出す感じかも知れませんね。


実際の製作工程は、逸夫氏が実演しました。
スピーディーでパワフルな製造工程は、これからの土井刃物を背負う
職人としての雰囲気が満々と出てました!

IMG_0828.jpg

敬次郎氏の息子へ思う想い等を聞いて工場取材終了しました。


職人さんの話を聞くのは面白いです。


プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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