訃報

2017年11月12日午後

僕の大好きな職人さんの一人、土井敬次郎氏が亡くなりました。 90歳でした。
刃物業界に入った時から、とても好意にして下さり、多くの事を教えて下さいました。
「困った事があれば、何でも言って来い!」っと言われた時の事を思い出します。
どんなにアイケの庖丁を出しても、板前さんの為に切れ味、刃持ちを優先して
一切ブレる事が無かったです。

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今日、通夜で敬次郎氏に対面してきました。
人生を全うした、幸せそうな顔でした。

ブログをご覧の皆様も一緒に冥福を祈って頂ければ幸いです。

歴史ある砥石達


お盆休みも過ぎました。

今年は台風が来たりしたので、遠くに出掛けたりせず、
警報の出る最中、会社で仕事をしたりしていました。

お盆休み前に1日だけ免許更新の為、お休みを頂いて
自宅でのんびりしていたのですが、堺刃物-刃付部門の重鎮-
小田さんから、突然の電話!

「おう!何してんのや? もう仕事仕舞うから天然取りに来いよ!」

仕事を仕舞う=刃研師としての仕事を終えると言う意味。

前々から、辞める時は砥石あげるから来い!と言われていたのですが、
「もう、辞めます?」なんて言えませんよねw

自宅でのんびりモードから、一気に出撃モードに切り替わり、
1時間の道のりを経て、小田さんの工場へ!


砥石もらって、はい、さようなら~ なんて事はもちろんありませんw

刃付部門の重鎮な訳ですから、もちろんインサーダー情報を聞き出すべく
あれこれ質問したり、それ以上に教わったりで内容の濃い3時間を過ごしました。

「お前は、コレと、アレと、こんな事も、覚えておかなアカン!」

ってな具合で、古い包丁やなども引っ張りだして、イマドキの人に見せても、
到底何に使うのか解らない包丁などを目の前に、昔話を懇々と聞きました。

土井敬次郎氏のお父さん(一雄さん)の包丁も見せてもらいました。
鋼の色は今の物とちゃいますね・・・。 古いからかな? ゾクゾクする鋼色ですw
細かい所まで透かして見ましたが、現在の逸夫氏にも内容は受け継がれていそうです。

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写真は、頂いた砥石達の一部ですw

備水、天草、本山、巣板、天草、試作品(鏡面用)
これらは、全て30年前に揃えた物らしい。

プロが使って30年も使えるんか!!っと思われそうですが、プロ故に一度に6本前後
買う訳です。 刃付職人と言えども天然は仕上のみで使うので、これらの砥石を
ガンガン使う訳ではないので、6本を徐々に使い最終に残った砥石達です。

当然ですが、メチャクチャクオリティーが高い砥石です。

こんなに頂いていいんですか? っと確認したのですが、
「お前以外、誰が使うんやw」 と言われました。。 砥石オタクと思われているのでは・・・w

試作品の緑色な砥石は、鏡面仕上げにする用に一般向け販売しようとして
作った砥石らしいです、、、かなりの年代物で、、どうして製品化しなかったのか、
実際に研いでみて、考えてみようと思いますw
予想:鏡面になるけど、刃が付かないパターンか、鏡面にならないか!


本刃付け依頼でご注文を頂いている包丁が沢山あるので、これらの砥石を使ってみようと思います。


男の背中


今日は、工場見学で池田美和氏の工場へ行きました。

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新しくミラーレス一眼を得たので、試し撮影してみた。


池田さんは、温度とか、叩き方(鍛え方)に理論を持っている。
自分自身の理論を実体験で得る為に、試行錯誤をしている事もあって、
色々な事を知ってます。

妙な質問をしても、だいたい答えが返ってくる。

これで間違い無い!っと言い切る事はなく、「私の経験では、こうなった!」的な。。

他の鍛冶屋さんなら、違う答えを持ってるかも知れない!っという事です。

まだまだ、修行中と言うオーラを感じます。


見学+取材を通じて、インサイダー情報を色々ゲット出来た!
ちょっと知識が増えると楽しいですね^^


今日の堺は気温24℃! すでに鍛冶屋さんの工場は暑かったデス。

取材でした。


昨日は、朝から海外のジャーナリストによる取材でした。

土井さんの工場に行き、敬次郎氏に会いたいっとの事で、
わざわざ、敬次郎氏に工場へ来て頂いての取材でした。

少しだけ横で取材内容を聞いてましたが、敬次郎氏いわく、
鎚を持った腕が上がるなら、まだまだ庖丁を作りたい!っと。。。

鎚を置いた後でも、あ~したら、こ~したらっと思う事があるようです。

仕事止めたら手が綺麗になったわ~
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現役の時は、手のしわに煤が入って黒くなっていたのです。


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「暇してるから、いつでも呼んでや~~」っと言ってました。。
僕も、ビデオカメラ持ってインタビューしておこうかな。


余談ですが、敬次郎氏は工場では作業服で、
仕事終わりで庖丁を納品する為に、酔心へ来る時は写真のようなジャケット姿でした。
ネクタイまではして来ませんが、敬次郎氏なりの礼儀を感じていました。
作った庖丁を嫁に出す感じかも知れませんね。


実際の製作工程は、逸夫氏が実演しました。
スピーディーでパワフルな製造工程は、これからの土井刃物を背負う
職人としての雰囲気が満々と出てました!

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敬次郎氏の息子へ思う想い等を聞いて工場取材終了しました。


職人さんの話を聞くのは面白いです。


逸夫さんに呼ばれて


今日は、土井逸夫さんに呼ばれて工場へ行きました。

焼き入れ現場にて、知りたかった事などを以前からお願いしていたからです。

本物??商品にする為の包丁だと、近くに寄ってあれこれ出来ない・・・。
(仕事の邪魔と言うか精神を乱すような事になるので結構離れて見る事を心がけている為)

今日は、キズの包丁で焼き入れお試しとの事で、真近くで見学する事が出来ました。


どちからと言えば、大きい体使いで包丁を製作している逸夫さんなので、俊敏な感じは
しませんが、焼き入れの瞬間はもの凄いスピードで水桶に包丁を浸け一瞬で終えてしまいます。
60cmぐらいの近距離からだと迫力が違う!


僕が、何を知りたかったのか、そして逸夫さんと何を話したのかは秘密ですが、多くの鍛冶屋
特に本焼をしている鍛冶屋が、焼き入れ風景を見せたく無い理由が少し解りました。


深い意味で逸夫さんが敬次郎氏から受け継いだ物の大きさを感じます。
それは、作っている工程を見て、研いでる研ぎ師からの意見を聞き、自分で本刃付けして、
実際に物を切ってみての大きさです。


普通は、問屋から焼き入れが〜焼き戻しが〜っと言う事について口出し出来ない訳です。
「細々言うなら、他で作ってもらえ!」っと蹴られてしまうんですが・・。

逸夫さん、もちろん敬次郎氏も、協力して下さって感謝の限りです。

協力して下さるにも、僕を助けてくれる上田氏、山口氏、博士、そして土井さんの包丁を
使用されたからのレビューなど、から支えられている事も、凄く感じるのです。

プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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