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形状記憶包丁?

今日、刃付け屋さんから研ぎが上がってきた。
鍛冶屋さんよりも刃付け屋さんの方が仕上がった包丁がどんな物か良く解る。

今回はオーダーメイドで受けた土井作のフグ引包丁だ。
良く締まった包丁は、鍛冶屋が打った状態に戻ろうとする。
「今回のは、凄く戻ろうとしたわ~」っと言う意見!

薄い包丁(フグ引、蛸引)などでしなるような包丁がある。
一見ベラベラで締まりが無いように思うが、締まっているからこそ
あのような包丁になるのかも知れないと思った。

全てにおいてパーフェクトじゃないと伝統的な製法ではあの感じに
なら無いと・・・。 軟鉄に特殊鋼を使う!なんて話があるが、
パーフェクトにする為に、ごまかしたに過ぎないと・・・・。

ウニウニと曲がるが、切る時は硬く芯が通っている事!
しならせたい時に、しなる思い通りの包丁! エエですよね(^^)

昔、会社に良く来ていた凄腕の研ぎ職人さんが、言っていた意味
が今日やっと解った。僕が包丁業界に入って間もなく亡くなって
しまったが、今もまだ、言ってた意味が解らない事が沢山ある。

一つ一つ体感?実感して意味を理解していきたい。

かに出刃

朝から出荷作業をしつつ片付けていたらカニ出刃が出てきた。

DSC00164.jpg


毎年発見するのだが、見て見ないふりをして奥に仕舞い込んでいた。
今年はブログもあるので紹介しようと写真を撮ってみた。


使い方は、刃元の直線部分でカニの足を外し、斜め部分で下記写真
のように食べ易いスリット?を入れるそうだ。
img1000767905.jpg

これは左右逆に使うので右利きの人は左用、左利きの人は右用を使う
のが一般的らしい。 スリットを入れる時に前へ押し切りするからだと思う。

鋼材はなんと白二鋼(^~^)b 磨きでは無いのでそんなに高価じゃ
ないと思う。(磨きでは無い=平部分が黒色のまま!)

カニを沢山扱う調理場に一丁、いかがですか?

酔心倶楽部会員様

ようやく首の痛みも治まってきました。

さて、日頃お世話になっております酔心倶楽部会員様へのご案内です。

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2006年12月22日~25日まで特殊な庖丁類を特別販売致します。
何が出てくるかはお楽しみに!

会員の方でIDとPASSをお持ちで無い方はメールでお問い合わせ下さい。

酔心倶楽部は、酔心夢工房を通じて酔心製品をお買い上げ頂いた方、
酔心正規代理店にて夢工房製品をお買い上げ頂いた方になります。

正規代理店でお買い上げ頂いた方は、購入店名と購入商品をお知らせ
下さい。会員IDとPASSをお知らせ致します。
正規代理店を通じての方は、代理店よりの販売になります。

この企画は、日本国内に限ります。海外への発送などは致しません。

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寒くなってきました。

週末あたりから急に寒くなるようです。
今年も残す所あとわずか!いかがお過ごしでしょうか?

いよいよ冬っぽくなってきた所で、そろそろ本焼製作に適している
と言われている季節になってきました。
オーダーメイドでも本焼見積もりや受注が増えてきました!
炭素鋼系の本焼庖丁オーダーメイドをお求め方はこの時期に是非。

寒くなったせいか、昨日首を痛めてしまって・・・。
今朝病院へ行ってきました(><)どうしてかスグに直してくれず
「また、明日もう一度来て下さい!」ってな感じで引っ張られました。

土日、久しぶりに釣りへ行こうと思っていたのに・・休養です(^^;

早く、ロボコップのような動きから開放されたいと思うのです。

うっ!っとくる刃

今日も数種類の包丁を研いだ。
青二鋼、白二鋼、INOX鋼、V金10号の主に和包丁類を砥石に当てた。
V金10号が意外に手ごわいと思っていたが、楽に刃付けが出来た。
以前は「硬てぇ~~」っとゆう印象だったが、少し研ぎ易いように
鍛冶屋さんが考慮したのかと思った。 今度聞いてみよう!

手前味噌だが、INOX専用中砥石とINOX専用仕上砥は良い。
思ってる通りに仕上がるのだ! 中砥の減りがもう少し軽減されたら
最高なのだが・・・一長一短である(><)b

さて、うっ!っとくる刃のタイトルだが、うっ!っとなる研ぎが
出来た時は快感だ。。横ハマグリの時もそうだったが、この感覚が
出た時は絶対に良い感じになる。特に本刃付けでこの感覚を得ると
手離したく無い感覚になる。
「達哉君、君が包丁を持ってどうする?」と思われそうだが・・

以前の横ハマ牛刀、筋引は絶賛してもらった。
煮込んだバラ肉を切ったらしいが、モロモロな肉がスパァ~っと切れたそうだ。

今日は、夢工房のオーダーで青二鋼の本刃付けをした。
注文としては、「刃持の良い長く切れる本刃付け」だ!
これを目指して研いだ。闇雲に砥石に当てては取り返しの付かない
事になる事が多いので、刃付屋さんがどんな研ぎをしてきたのかを
先にチェックする事から始める。

流石に手作りだけあって、100%完璧な状態であるわけではない。
それを、100%に近い状態へ導いてやる作業を行う。

この包丁は、そもそも薄く研ぎ上げ過ぎていた(^^;
恐らく買った瞬間、刃先を軽く研げば抜けは最高だと思う。
今回は、刃持ちが良く長く切れる刃付けを目指さなくてはならない。
となると、仕上がりを少し厚つめにして刃先だけを薄くするハマグリ刃
を持たせる事が必要になる。

気になる凹凸をグングン研ぎながら、切刃を整えつつ薄い刃を厚い刃
にしていく。最初から薄い刃を全部研ぎ取ってしまう方法が早いが、
これをすると極端に包丁幅が狭くなっちまうので、徐々に行う。
調理師さんが数週間かけて行う作業を2時間~3時間かけて行う感じ!

そこから先は、切刃と刃先をじっくり整える。
軟鉄部分は中砥で霞ませて、鋼部分を仕上げ砥で光らせる。
この鋼部分だけを光らせるのが難しい(><)角度を間違えると軟鉄も
光っちまう! ゆっくりじっくり、切れますようにと仕上げる。

最後に、糸引刃を入れて完了(^^)b
新聞紙を一回切って通りを見る。 いい感じだ!

これを一日置いて、明日もう一度新聞紙を切って「うっ!」っと思う
切れ味が出れば、良いと思う。 一日で仕上げると感覚が鈍ってる事
が偶にある。「これをこれ以上切れるようにするのか?」っと思う状態が良い。
明日が楽しみだ!

☆☆☆

夜にTVを見ていたら☆☆☆レストラン、フランス料理の番組があった。
http://www.ntv.co.jp/getsuyoru/
内容はとっても興味深かった。 何かフランス料理って形式っぽくて敷居
が高いイメージだったが、素材を生かすと言う事などを考えて調理したり
☆の為に料理を作ってるんじゃない!と言うシェフも居て職人業に通ずる
何かを見た気がした。

ミシュランと言うタイヤメーカーが☆を付けるらしい。
それにはレストランを調査する調査員が居るらしく料理以外の事までを含
めて☆を付けるそうだ。その調査は極秘らしく、知らない間に調査される。
要するに日々の営業状態や、料理をいつの間にかチェックされるのだ!

この時、頭の中に包丁造り(包丁販売)とリンクした。
誰がドコで酔心の包丁を手に持つやも知れん!
「あっ!それはですね・・・・」なんて言いたく無いと思った。
それゆえに、納期が遅れたりする事が多々ありなのですが・・・

話しは戻って、料理の世界は深い。
無限にある食材や調理方法を駆使して旨い物を作らなければならない。
塩加減、火加減・・言い出せば無限大に広がる!
それゆえに、誰にでもチャンスがあるように思えた。

しっかし、TVの中で紹介されていた料理・・・喰ってみたい(^^)
どんな味なんやろ? 僕はそれを旨いと思うだろうか?

生きてる間にフランスの☆☆☆レストランで贅沢に食事をしてみたい!

白三鋼出刃

酔心の白三鋼は安来鋼の刻印が打ってある。

展示会での販売用に用意していて、小刃合わせをした。
研ぎ台に北山が乗っていたのでそれで研いだがイマイチ良くない。

上昇志向で天然を当ててみたが、更に良くない(笑)
なんじゃいこの包丁は!!そう、天然まで使って切れないなんて・・。
やっぱり白三鋼か・・・っと凹んでいた。

注)切れないと言うのは、僕が思ってるスカっとした切れ味が
  出ないと言う意味で、結構切れてるんです。

ため息ついて、ふと目に留まった砥石があった。。嵐山だ!
逆の考えに切り替えて、番手を下げてみた。

そしたら、急に白三鋼が良くなった(^^)b
やっぱり相性なんやなぁ~っと実感した。

良い意味での裏切り?が良かった。

荒くしたんだから、滑らかじゃないんちゃうんか!!!
っと思うかもですが、これもまた裏切りで白三鋼なりの滑らかな
切れ味が出た。 白二鋼や青二鋼と比べると落ちるけど。。。

なんでこんな事になるのかなぁ。
鍛冶屋によって砥石を選ぶ事や、素材によって砥石を変える事。
鋼材の分子と砥石の分子の相性が良いのか?
歯車みたいにかみ合う瞬間があるのか?

天然砥石は、粒子が砕けるから特別な天然じゃなければ色々な鋼材に
順応してくれるのか? あれ?白三鋼は順応しなかったぞ?
細かすぎたのか? どうなっとんじゃぁ~~~~~~~(笑)

天然砥石、人造砥石。

今日は包丁を数種類、研ぐ機会があったので天然やら人造やら色々
出して研ぎ比べてみた。昨日の大平砥から天然砥石に対してのワク
ワクが再発したので手当たり次第刃を当ててみた。

久しぶりに天然砥石から出る泥の香りに癒されながら銀三鋼、白二鋼
を研いでみて思った事が・・・・。

天然砥石の特性としてカエリが出にくい?出ない?性質がある。
人造だと表から研いで裏を押したらカエリがポロポロ取れて刃が付く。

天然にはコレが無い、、どう言う事なのか良く解らないが研ぎ上がり
はマッタリとした刃が付き優しい切れ味になるのである。
人造だとカエリが良く出て簡単に刃が付くが、冷たい切れ味が・・。

天然砥石で包丁が少し熱を持つくらいで研ぐと刃持ちが良くなるよう
な意見もあったり、自分で試してみて粘りがあるように感じたりした。
そもそも硬いかな?っと思った包丁でもマッタリなる感覚!
ちょっとマニアックな感じだが、やっぱり天然は良い。。

天然砥石の粉が入った「嵐山」と言う人造砥石がある。
コレはどうなんやろ?っと思い使用してみた。
一時期、あんまりかなぁ~っと思っていたが深い意味で良い。
冷たく無い人造砥石と言うのが一番良い表現かも知れない。

これらは、銀三鋼でも白二鋼でも同じような感覚を得る事が出来た。
銀三鋼の方が粘りがあるので人造の方が良いかなぁ~っと思ったが、
少し柔らかい天然を当てると面白いように優しく鋭くなった。

洋包丁のように、安定したステンレス鋼材ならば、この人造砥石で
最適な刃が付きますよ!なんて言えるけれど、鍛冶屋によって感覚が
違う和包丁の場合や天然砥石選びになるとチョイスは難しい。

天然砥石もコッパが売ってるが、この山の石が良かったから大きいの
を買おう!なんて事をすると、失敗するかも知れない。
だって、同じ物が一つの無い物が天然砥石だからだ!

究極の話だが、この1丁の包丁に対して最高に合う天然、人造を選び
包丁と砥石をセットで販売する事が出来たら良いなぁ~っと思う。
包丁も1丁なら砥石も1丁。色々違う炭素鋼の包丁と砥石を良い状態
で提供するには、コレが一番だと思う。
(使用者が好きな切れ味を事前に聞く必要がありますが・・。)

鍛冶屋、砥石屋は何の接点も無い。色々な情報や経験を貯めて薦める
事が出来る男になりたいと思うのです。唯一色々な組み合せが出来る
位置で仕事をしているのだから!!

良い天然Get!

今朝、砥石屋さんが来たので営業車の中にある天然砥石を漁ってみた。

ある古い金物屋さんが店じまいする事もあって、引き上げてきた砥石
も含め、相当良い物が沢山あった。菖蒲と言う中山に匹敵する石も、
結構な大きさで、のどから手が出るくらい欲しかった。

桐箱に包まれた中山もあって定価なんと36万円(^^;宝石並だ!

今回の捜索目的は、良質の大平を探す事!
先日お客さんが大平を探しているとゆうメールがあったので、良い物
あるかなぁ~的な感じで見たら・・・あったんです(^0^)

DSC00126.jpg

DSC00125.jpg

大平の戸前で、角が少し欠けているがキズなしで、色艶手触り抜群!
何十本と大平を並べて見たが、コレだけ異彩を放っていた。

とりあえずGetしてみました。。。どうでしょう??

限りなく直線に近い鋸刃

限りなく直線に近い鋸刃を付けると切れなくなる。
正確には切るのに技術が必要になる。
切り口はメチャクチャ綺麗になる。

程度を超えると、切るんじゃくて引き剥がす方向になるかも
知れないと思った。

なんでそんな事を思ったかと言うと、INOX本焼をバシバシに
研いで新聞紙を切ってみたら、切る感覚じゃなくて新聞紙の
繊維を裂いて行く感じを覚えたからだ。

新聞紙には縦方向で繊維が並んでいるようで、縦方向に切る
と切ってる感触は皆無だった。

横方向で切る場合、砥石を種類を変えると多少抵抗を感じた
が縦横関係なくスパ~っと切れる。刺身などは魚の繊維?
に沿って切るし、肉などは繊維を切断するように切るように
思うので、この感覚が食材にどう作用するかを実際に知りたい。

どうやって「限りなく直線に近い鋸刃」を付けるかは・・・。
知ってる人は知ってるので内緒に(^0^)
これを付けるにはある程度の条件が必要です!

鍛冶屋、匠の瞬間。。

今日は仕事終わる寸前に富樫さんが会社に来られた。
ちょっと聞きたい事があったので、色々話し込んでいたら鍛冶屋として
の経験を積む事や焼き入れの話しになった。

富樫さんは出刃製作の名手である。
何回か言ってきたが、繊細な白二鋼Aで綺麗に焼を入れる事は難しい。
綺麗に焼を入れるのがどれだけ難しく経験が必要なのかと言う話しだ!

水の中に赤めた包丁を0.5秒単位で潜り抜けさせる瞬間を見極める事が
重要で遅くても早くてもダメ、適温になった瞬間を見逃さず新鮮で冷たい
水の中を素早く泳がせる事で、綺麗に焼が入るらしい。

土井さんの工場で何回も焼き入れを見せてもらっているが、焼入れの時は
緊張感と言うか、物凄いオーラが出ている。 金縛り状態だろうか!
何回も写真を撮りに行くが、10本焼き入れを撮ろうとして綺麗に
取れるのは数本の写真だけ・・いつもシャッターが遅れる。

さぁ~水の中へ!っと思ったら入れないで妙なタイミングで水に入れる
包丁に命を宿す瞬間を鍛冶屋は知っている。

貴方の持っている包丁も、確実にこの瞬間を経て包丁になったと思う。

やっぱり研ぎ!

質問のメールは、研ぎに関してが一番多い。
研ぐ作業としての最終目的は切れるようになる事。
それにプラスして切り離れや切れ込み向上を狙って
研ぎ込んで行く事になる。

このプラス研ぎをする時に、必要なのが基本的な研ぎだ。
基本的な研ぎとは、自分の狙った所を研ぐ技術!
「ココを研ぎたいねん!」っと思っても砥石に当たらない
事が一番多いと思う。マズこの狙った部分を砥石に当てる
事が重要で、それが出来れば自分の思ってる形に研ぐ事が
出来るようになるのと思う。

えらそうな事を言ってるが、僕自身狙った所に当てれる様に
なったのは最近の話で、何本もの包丁が犠牲になった。。

包丁屋だからアイケの包丁やキズの包丁で練習できるが、
調理師さんは、そんな贅沢な使い方は出来ないし、料理の事
も考えてなくてはならないので、大変だと思う。

酔心特集でハマグリ刃などを紹介してきたけれども、思えば
基礎的な研ぎは、紹介した事が無い。
2007年は基本的な研ぎに関しての動画を製作しようかと
思っている。「面では無く点で研ぐ」が基礎だと思うけれど
もっとリアルに表現出来る動画を作りたい。

最終的にはDVDにして・・・・。。。
修行中の身ながら本当は実践的に皆さんの前で研ぎたい。

どんなに良い包丁を買っても研げなければ、もったいない。
職人さんほどの知識や技術、経験は無いが、今現在自分が
持ってる事を紹介していけたらと思っている。

今日から12月だ!今年は酔心特集更新率を減らしたりしたので、
別の所で色々な事が出来た。充電完了、ネタも仕込んだ。

12月は2007年へ準備の1ヶ月になりそうだ。


PS:昨日深夜まで「硬さについて」のページを作っていたが、
   包丁に例えた上手い表現を探しているので。。
   しばしお待ち下さい。
プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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