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硬度変化



土井さんの包丁、荒砥ぎしてアイケが出て返品になった包丁があった。

本来なら土井さんの工場にあるドラム缶に土井さんがポイするんです
が、銘切練習用にもらった物があったので、銘切の練習をした。

一本の包丁を有効に使う為、平全部を使って練習する!
刃元から先の方までの軟鉄部分に切って行く。
上手く切るコツは◎◎をしない事(^^)

それはさて置き。。 タガネと言う道具で銘を切っていく。
コンコンコンっと言う鈍い音!そう、軟鉄部分に切るのだから硬度の
低い部分は低い音が出る(刃幅の影響もあるか?鉄琴の原理?)。

順番に刃先に向かって行くにつれて音が変わってきた。
キンキンと高い音になってきた。幅が狭くなって音が上がったのか?
っと思ったが、タガネの入りが悪くなってる・・・。
むしろ滑る感じだ! これは硬い包丁(本焼きとか)によくある現象。

あくまでも憶測の話だけれども、土井さんが言う通り刃元と刃先の硬度
が違うのかも知れない。これは焼き入れどうこうじゃないけど、焼き戻
しの掛け具合なんだろうと・・。

温蔵庫みたいなので物理的に焼き戻しすると粘りのある包丁になるが
先から元まで全部同じ硬さになるんですよ。。
出刃とかは刃元で叩くし、先で捌くし!

手作業の勘で行う炙り戻し!
研ぎ屋さんからしたら、硬度変化に寄り添わなければですが、包丁と
してはエエもんになりますね。

物理的?科学的?目に見えない何かがあります。

えっ。。銘切りを見せろ・・ まだまだ修行中です(^^;

 

天然で!

デモンストレーション用疾風の刃が痛んできたので、研ぐ事に!

ず~っと前に「青砥」を砥石屋さんから頂いたので、オール天然での
研ぎ直しする事に。。

青砥→日照山合砥 この二種類で仕上げてみようかと・・・。

まず青砥、、泥がメチャ出て包丁や研ぎ台がドロドロになっちまう。
なんじゃこりゃ?? マメに洗い流して研いでいた。
全然研げないじゃねぇか(><)ドロばっかりやん!!

っと、、思い浮かんだのがドロで研ぐって事!
そう言えば、ドロも重要だって特集に書いてたなぁ~。。。

そんなこんなで、ドロドロにして研いでみた。
するとどうでしょう! 良く研げるんです。しかも硬い鋼が良く
研げる印象・・・。青砥は青二と相性エエのか?

DSC00037.jpg


軟鉄部分も綺麗に霞んでいい感じ! 粗いから小傷が目立ちますが、
人造の中砥では出ない深い霞になりそうな下地が出来た。


DSC00036.jpg



天然で研いだら、”カエリ”が出ない?出にくい?っと聞いたし読んだ
事あるので、青砥で研いでカエリが出るのかをチェック!

ドロドロの泥を流して目視でチェック! カエリ見えません。。
タオルで拭いてチェック、、ザラザラ引っ掛かりはあるけど、
カエリでは無く、刃その物が青砥の粒子に従って付いた刃の感触。

結果、、カエリは出にくいと言う事で。。もしかしたらザラザラを
カエリを考える事が出来るかも知れないけど。。。人造で本気研ぎ
した時に出る、ペラペラのカエリはありません!!!!

そんなこんなで、日照山合砥へ!
切り刃全部研ぐと砥石が減って勿体無いので。。。いつもは刃先だけ、
砥ぐようにしてますが、僕的には贅沢に全体を研ぎました。

DSC00038.jpg


こちらも、泥をしっかり出して研いでみました。
トロトロな感じの泥が出て、滑らかな研ぎが出来ます。
包丁と砥石の間に泥の層が出来てスリップチックな感じ。

DSC00039.jpg


この泥で霞んだ切り刃は、写真のような感じ!
ハガネがピカピカ光らないのは、天然砥粒子の大きさが違うからで、、
人造のように同じ粒子サイズで研ぐと綺麗に光るけれど・・・。
奥深い霞が出来ました。 これを内曇砥で砥ぐ?磨く?と艶のある霞になりますが、
とっても時間が掛かる作業なので・・・。

ここまでで、使用に耐える切れ味を得る事が出来ました。
鏡面チックになっていないので、張り付き感も少ないのでは??

こんな風に霞ませるとサビが浮きやすい!と言う方も居られます。
これを回避する方法を、少し考えています。
炭素系包丁の特性も手伝うかも!! まだ、良く解ってないので
また今度。。 

秋の長夜・・天然砥石で包丁を研ぐのもいいですね(^^)
↑良く聞くフレーズを使ってみました(笑)↑


刃付屋さんにて

今日は、アメリカからシェフの方が来られて工場見学へ行きました。

土井さんの工場で伝統的な製法を見せて頂いて、その後刃付屋さんへ!

刃付職人さんと刃付けについて色々と話をして、シェフの意見を職人
さんが直接聞くという事になりました。

ここで職人さんが言った言葉で耳に強く残ったのが、素材に合わせた
研ぎと言う事! この鋼材なら、こうやって研げば長持ちする!とか
そんな話になりました。

前に日々修行で少し書きましたが、職人さんも同じような事を考えて
るんやなぁ~っと。 今日はINOXの事についての話だったので、青二
白二についての意見を聞く事が出来なかったのが残念だったのですが、
INOXに関しては同じような見解だったので「やっぱり!」って感じで
良かったです。


普通の刃付屋さんは、鋼材に合わせて長持ちする研ぎなんて考えない
と思うのです。 仕事として考えれば、どうやって早く数量を砥ぐか!
それを考えるもんだと。。。 


ま、、時間があればですが、この職人さんと対談??みたいな事を
したいなぁ~っと思ってます。

実は特集をグレードアップしたいと思って更新できてないので。。
「楽しみにしてます!」などなど、メールを頂くので頑張らないと!


今夜は、上田屋さんへ行きます。同じように素材に合わせた研ぎを
聞いてみようかと思います!

銀三鋼


今日は、銀三鋼柳刃を研いだ。
サンプルでもらった中砥の試し研ぎもあって、じっくり研いでみた。
それなりに喰いも良く、グングン研げる!!
取り合えず、ハマグリ刃にしてみた。
いつも通りの段取りで仕上げて、新聞紙など切って切れ味チェック!

なんか切れ味悪い・・・(^^; って事でハマグリの天をシノギ筋より
にして、ベタ研ぎベースのハマグリにしてみた。

当たり前だけど、切れ味(むしろ刃の通り)が良い!

こういった、研ぎ角度や刃付けの構造については毎度毎度の事で
試行錯誤しいるけれど、今日は銀三鋼の奥深さを感じた。

何か奥深いのか?? さすが和鋼のトップメーカー日立が作る銀三鋼
なだけあって、和包丁に必要な硬さを強く感じた。
銀三鋼は和包丁に必要な硬度を出せる鋼材であるので、これで作った
柳刃は良いに決まってるけども。。日本の技術と言うか伝統と言うか
エエもんですなぁ~(^^)

エエもんなんですが、来年から銀三鋼が値上がりします。(><)
原材料がジワジワ上がってきてたようなのですが、鍛冶屋さんで
何とか堪えて値上げを抑えていたようなのですが、限界に近い材料
の値上がり故に、、「すみませんが。。。」との事です。

銀三鋼を買ってみようか?と思ってる方は年内にお求め下さい!
多分、、酔心だけの話じゃないと思います(ーー;

アンケート

突然ですが教えて下さい!

っと言うのも酔心サイトをご覧の方に聞きたい事がありまして~

動画を撮ってるんですが、どの角度からが見易いですか?
もしくは、見てみたいですか?

1.真正面
2.横から
3.斜め後ろから
4.研ぎしてる人の目線風
5.アップ画像
6.その他(    )

お手数ですが、1~5でお答え頂くか、6のその他でご要望を頂ければ幸いです。。。

宜しくお願い致します。m(_ _)m

天然砥石の裏表

天然砥石の裏表です。

これは砥石自体の話ではなく、取れる山の裏表!
大平の裏とか表とか(^^)b

どっちがエエの? 裏か?表か? さて。。どっちが良いのでしょう?

厳密に言えば、表と裏では違いがあるかもですが、性質が一緒な場合が
あるようで・・・・。

表なら20万円! 裏なら3万円なんて事もあるかなぁ~。
どこの山の事言ってるでしょう(笑) 解る人は解るかと・・・。
石を見極めれたら、同じ性質の物をGet可能ですね!



プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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