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研ぎ苦悩

ある同じ包丁を、2本ほど研ぎました。

同じ時期に、同じ職人が作った柳刃包丁です。

その2つは、全く違う性質で砥石も小刃合わせも変えなければ基準とする
切れ味が出ないと言う不思議な事になりました。

刃研職人さんが来たので、色々話を聞いて包丁も見てもらいました・・・。
「なんでや? 同じやろ? どないしたんや?」

ってな感じで、、、、。


研ぎや砥石を変えればエエと言う事なんですが、それではアカンでしょ。。っと。
手造りなので、個体差があるのは解っているのですが、これでは満足できる
製品説明とか研ぎの説明は出来んぞ!!っと・・・。


仕上げで小刃合わせしているから気が付いた事なんですけど・・・・。
知らなければ良かったと思う悪魔な達哉と、解って良かったと思う天使な達哉
が居ます(笑) しかし、この件での問い合わせがあった場合の打開策を得ました。


さて、近日職人さんの工場へ行って相談しに行こうかなぁ~。

この事は、今書いてる特集にも関わる事になりそうなので追加事項になりそうです。


PS:鏡面維持の為の粉を探しています。 自分で配合するしかないかなぁ~
   100か90:10か? この悩み期間が抜群に面白い!辛い事もあるけれど・・・。


作業用小刀


包丁の仕上げ場所で、青二鋼水本焼のNG包丁をずっと使用しています。
替え刃のカッターナイフも便利ですが、サヤを削ったり柄口を削ったりと
木材などの削りが多いので、厚みのある物を使っています。

tatsuta-tool.jpg
過去に紹介したミニ鎌薄刃君です。

これと併用して、あるステンレス系のNG包丁も使用してみたんですが、
やっぱり、水本焼の方が長くしつこく切れますねぇ~。。

もうそろそろ切れないから、研ぎ入れよっかなぁ~
っと思ってからも1週間から2週間は大丈夫!!!


本焼の魅力は、長く切れる事、重量感や鋭さなどですが、「まだ切れるのか?」
っと思わせる程の持続力はやっぱり凄いですね。

青二鋼だから、長く保てるのかも知れませんが、しっかり作った白鋼は青鋼より
長く切れると言う意見が方々から舞い込んでいます。


白鋼の鋭さで、青鋼以上に長く切れるって、包丁としては優等生ですね!
炭素鋼は、手入れが大変ですが付き合い方を間違え無ければ素晴らしい
道具となるように思います。 


最近は、ステン系を優遇していたので、たまには炭素鋼の話題も!!


PS: ようやく特集書いてます。


量産包丁の研ぎ


安価量産系の包丁は、一筋縄では行かない事が多い!
それに合わした研ぎが最適かと。。。

普通に考えたら刃を薄く研げば良く切れる、爪に掛かるっと思いがち
ですが、意外に逆で刃先を厚く研いだ方が爪に掛かる刃を付ける事
が出来る場合が多いです。 刃がしっかりするから!?
薄く研がれる事を考えて無いからか?

深く言えば、真っ黒になるぐらい書けますが・・・。
安価な量産系包丁の研ぎで悩まれてる方、居られましたら試して下さい。

砥石の相性もあるんですが、刃の構造で結構変化します!


アゴで重みで


久しぶりに手を切った。 指じゃなく手の平(><)

状況的には、150㎜サバキ日本鋼の箱入れ中でして・・・。

日本鋼ゆえ、油拭きしてあった事もありスルスル滑って手の平に
アゴが刺さり、包丁の重みと勢いで手の平が数センチ切れました。

090918.jpg


よ~切れますわ~~~(^^;

切れるのはエエのですが、アゴで刺さってから切れたので深めです。


新品からアゴ落としする訳にもいかないしなぁ~~。。


子供包丁など特殊な包丁以外でアゴある包丁は尖ってると思うので、
買って直ぐに丸くした方が良いと思うのです。

090918-1.jpg


明日から連休なんですけど・・・。 海水は染みるかなぁ~~。。
ま、綺麗に切れたので、2日ほどでくっつくかも知れません! 


180㎜ 柳刃INOX本焼 別誂


お客様よりカスタム仕様のオーダーを頂きまして、、
180㎜柳刃INOX本焼を1本製作しました。
鰺、秋刀魚などの捌きに使用するとの事で、
厚みは210㎜厚にて、しっかりした柳刃が出来ました。

この包丁、240㎜柳刃INOX本焼からの削り出し!!
酔心本霞を研いで頂いている職人さんに無理言って、研ぎ出して頂きました。 


180-yanagi-inox.jpg


研ぎ追加加工と言う事で240㎜柳刃より割高ですが、
手に持ってニヤリと出来る仕上がりになっています。
小さくなってもINOX鋼の特徴は健在で、軽く研ぐだけで良い刃が!!!

追加加工と言う事もあり、出来るだけお安く!!
っとも思い、木砥仕上げでございます。 シックな感じで良いですね。。

頼りがいあるペティーナイフのような柳刃です。
手元に一つ欲しい小手先効く包丁が出来ました。

ちなみに、180㎜柳刃INOX本焼は、既製品では御座いません!

「The 銀三鋼」 


銀三鋼に合う砥石の相性をずっと探してました。

今日、お腹いっぱいになるほど銀三鋼の小刃合わせをして見つけました。


じゃじゃ~ん  「北山」  が良い感じの刃を付けてくれました。

nkitayama.jpg
一般的に5,000円ぐらいで流通してます。


しかし!闇雲に研ぐだけでは、良い結果が出ません!

↑お決まりの制約があったりするのです(ーー;


まず、最終的な刃を付ける時、確実に目詰まりを除去しなくてはなりません。
砥石のリアルな粒子を刃先に当てて下さい。 砥石の新陳代謝!!!


北山には名倉砥石が付いてますが、コレで目詰まりを取って下さい。
その時出る泥は、全部流してから研がなければなりません!
この泥があると、ザルザルした刃になります。(←ザラザラじゃないのがミソ ^。^)


それにプラスで刃先の構造にも注意が必要です。


錆びに強い鋼材系は糸引刃を入れる事で断然刃持ちが良くなります。
北山によって付けられた鋭い刃を、長く保たせる為に必ず糸引きを!!


銀三鋼がある一定を越えると滑り出す原因は、ココにあるように思います。
錆びに強い変わりに、錆びるスピードに猶予をくれる変わりに、研ぎで工夫
してあげなければなりませぬ!! ぬぬ!


パリっと合えば腕の毛なんかは撫でるだけで剃れます。
それくらい鋭く刃が付きますから、エエ鋼材なんですよね~~
後は、どんだけ維持させるか! 研ぎの奥深さはココからデス。。


ちなみに、銀三鋼材の性質からミラクルエッジは付けれません!


銀三鋼の包丁をお持ちの方、居られましたら一度お試し下さい。

難しい~~


最近のブログは難しい~~感じの事ばっかり書いてまして・・・。

「青木くん~~難しいわ~」っとメッセージも受け取ったり~。

濃くなると、ドンドン深みを増してきそうなので、ブログに関してはラフな感じに
戻ろうかと!! 濃いのは特集で書こうかと思っております。。

そもそも、そのつもりだったんですけど、ブログが余りに快適なのでついつい(^^)


究極の包丁とは

特集にしたいようなテーマですが書かないと始まらないので片鱗を少し。。

究極の包丁への考え方は色々あると思うのですが、包丁としての性能を
追いかけた時、包丁に課せられる最良の条件とした場合、これが揃えば
究極と言う域に入るのではないかと思います。

包丁としての性能を追うと、バランスとか研ぎとかも重要かも知れませんが
純粋に切る性能を考えた場合。

1.鋭い事
2.その鋭さを保てる事

この二つが、刃物鋼材として最高の条件かと思います。

鋭さは、硬い包丁を作れば得る事が出来る。
鋭さを保つためには、粘り(柔軟性)を持たせなくてはならない。

硬くて粘りのある包丁が出来れば、鋭く永く切れる包丁となるのです。


この事は、賛否両論で色々な意見があるかも知れませんが、そう思います。
あえてブログでは深く掘り下げません! 


これは、ずっと前から考えていた事で、職人さんからも話を聞いていました。
いつかしっかり整理しようと思っていたのですが、あえて今日書きました。


今日書いた理由。
上記に書いた包丁、もしくは上記を狙って作った性質の近い包丁は、研ぎが
難しいと感じたからです。 しかし、この研ぎの壁を越えた時、素晴らしい刃を
得る事が出来ます。これは鋼材が硬いから研ぐのが大変!って言う事では無く・・・・。

今日、そのような包丁を研いでいて、これはしっかり包丁と向き合わないと、その
包丁が持つポテンシャルを全て使えない知れないなぁ~っと思いました。 

単純な対処方法と、突っ込んだ対応方法を模索中です!


今日は、あえて複雑に書いてみました。


講習会


お肉屋さん出身の調理師さんが、魚の捌きを習得すべく上田師範を訪れました。


09081.jpg

包丁の事、魚の事など、捌きを始める前に色々な基礎知識と、
ミラクルエッジの素晴らしさ!などを一通り話してからスタートしました。

09083.jpg

捌く魚は、ツバス!活アジ! 腹背背腹。。っと。

09082.jpg

ここは!っと言う所や解らなくなった時は、師範がサポート!

当日は、ビデオも回しました。
講習前の模範捌きをしっかり撮影できたので、また何かの機会に(^0^)

捌きの他には、お寿司の握り方、刺身の切り方、盛りつけなどなど!

一晩で色々と深い内容の講習会となりました。






下記写真は、師範の卸しです。 ヨコワ(マグロの子)。。
09085m.jpg
素晴らしい! 僕と受講された方に説明を加えながらの捌きでこの状態!
こんな風に捌きたいです。。  

包丁は180mm出刃INOX本焼です。



講習会、上田師範ありがとうございました。
はるばる横須賀から来られたAKAIWA様、お疲れ様でした。


サバキについて!


イタリアからサバキについてメッセージが届きました。


* * * * * * * * * * * * * * * * 

魚のさばきは、やっぱり

1.うまい人に教えてもらう事

2.魚の種類それぞれの骨の形(特徴?)を覚える事、
  鯛さばけても、平目はさばけないじゃアカンしね・・・

3・とにかく数すること、これは野菜のむき物(桂むきとか)も同じこと。

4・ずっと同じ包丁で遣り通すこと。僕らは庖丁屋ではないので
  基本は1本ずつしか持ってないしね・・・

   大体以上と思うんやけど・・・庖丁仕事に限らず、料理でいえば
   出し巻きやオムレツ、等など、練習あるのみですな!
   で、練習をがんばった人のみが技術を習得出来る。

* * * * * * * * * * * * * * * * 


数をする事、魚の骨格、同じ包丁で!上田さんも同じ事を言ってました。


僕自身、もっとも引っ掛かったのは、「同じ包丁で遣りとおす!」 
青二とか白二などなどを試しに使ってますが、切れ味を感じるだけにする
べしですね。。 鋼材を変えたらって上手く捌けるようにならんと・・。


作っている職人、研いでる職人が違うので、微妙にシノギ位置なんかが
違うので、1本の包丁で通さないと基礎が出来ないと。。


こんな感じの切れ味か~~っていう程度で終われなくなった自分が居る
ので、自分自身の使い易い角度探しに奮闘しようかと思います。


包丁は手の延長?指先の延長だと思うので、包丁研ぎによる感度向上!
その辺りも模索しようと思います。


◆Aboutイタリアの方◆
釣りの師匠でもあり、上田師範とは違った味わいある調理師さんです。
割烹出身で、今まで知らなかった事を教えて下さります。
現在、イタリアにて新しいレストランオープンに向け奮闘されています。
2.jpg


柄付け修理の刃


今日は、柄付け修理の包丁が来ました。

新しい柄を取り付けると言う事なので、問題なく完了したのですが、
この包丁に付いている刃が気になった。

直刃ハマグリ? 所々チリチリと掛けているけど、鋭い感じ!
刃先を薄く研ぐ事で生まれる鋭さは、チリチリ欠けを省けば素晴らしい。。

糸引入れたらチリチリ経験されると思うが。。

サックリ入る感じを知ってしまうと、直刃から離れられないかも・・・。
直刃にするなら、直刃に適した包丁形状がありますね!
製作側、研ぎ師の腕も試されるかなぁ~!

他メーカーの包丁なので、写真などは控えておりますが、こんな研ぎ方、
使い方もあるんやなぁ~っと思いました。

チリチリ欠けているので、これを研ぎ取って・・・っと思いましたが、ぐっと
こらえて、そのまま返送(^^; 気持ち的に、めっちゃ研ぎたかった。


さて、週末です。 天気は良さそうです。

腕次第


イタリアからのメール。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 

毎度!そろそろ青物、ええ季節やな!
ところで、魚を卸すのは、腕やで!腕が良かったら包丁代わっても
極端な話、どんな包丁でも切れたら卸せるで。
そうなるには数することとええ師匠を持つことやで!
数さばけるように、ハマチ、釣りまくらな!

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 


このメールを受けた同じ頃に、お客さんからも魚を捌く事についての
メールを受けました。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + 

私は魚の関節の場所を覚えていますので、関節と関節の間にある軟骨に
包丁を通します。そのためそこまでの負担はありません。(刃に負担)
いまいち理解できないと思いますが、どのくらい力を使わないおろし方か
いうと、刃渡り10センチの薄いペティナイフで15KGほどのブリを3枚~5枚
に開けるということです。ハマチ程度のカブトなら隙間をとしますのでカブト
割もぺティナイフでいきます。
真鯛を抜きにして、小魚をさばければ私的には十分です。

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + 


これらのメールに加えて上田師範から教わった事、実際に様々な包丁で
捌いて頂いたのを目の前で見た事を考えると、腕次第ですね・・・。


良い師匠に教わっているのですが、イマイチ物解りの悪い僕です・・・。


刃を入れる場所は、決まっていてそこに確実に刃を入れて切り離す事が
究極の捌きでかも知れません、、 入る場所を知っていて切れる包丁で
あれば作業効率などは別として綺麗に捌けるのかも!

中骨に身が残らない捌きをする人は、ソコを得てるのかなぁ~

今感じてる所で思うと、皮引きに似てるかなぁ~
入る所に入ったらスゥーって抵抗無いトコがある感じですかね?


包丁屋なので、調理の部分をそこまで深く追求する事も・・・っと思う方が
居られるかもですが、知ってて悪い事は無いし、色々教えて下さる方に
囲まれているので、吸収出来る事は吸収させて頂こうと思います!


でも、これらを知ってると、どんな包丁を求めているのか!
深い所で、試行錯誤が出来るように思ってます。考えの幅が広がればいいなぁ~(^^)


プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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