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巣板


白鋼の黒打菜切を小刃合わせしました。。

主に家庭用向けの庖丁なので、ザックリ切れる感じが欲しくて巣板(日照)を使いました。
人造で言うと#2000番辺りの粒度なのか? しっかり切れる感じが巣板の特徴です。

ステンレス系の洋庖丁や家庭用庖丁に良いかも知れません!
小さい巣板はホームセンターで2000円~3000円で売ってると思います。

しかし、巣板は全般的に金気や砂気が多く、コレが研いでいると悪さをします(><)


研いでいる最中、ポロポロと砂っぽいのが出てきて刃を傷めます。。
巣板を使う時は、それらに気を使いながら研ぐんですが、、、今日はやってしまいました。



この砂が出てくる場所が特定できれば、ソコを掘ってしまう事で快適に使用ができます。
*砥石屋さんと大工さんのススメです*


採掘開始!
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写真のココ→が砂の出所です。 

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コレを盛箸か目打ちの先、、小さければ針などで突いて中の砂や金気を取る(掘る)ります。


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出来るだけ丁寧に掘り掘りしてあげましょう!

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堀り進むと、意外に穴は深く・・・砂や金気がワラワラ出てきました。。。。

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このように穴が開いてしまったのですが、これで砂に邪魔される事無く研ぐ事が出来ます。 
穴を開けない方法としては、砂スポットが無くなるまで面直しを続けるしか無いかもです。

この場合2㎜深だったので、関係無い砥面を2㎜捨てなくてはなりません(^^;

どっちが良いのかは、個々の判断に・・・・。

ただ、この穴が開いた事で、研ぎ後は丁寧に水分を拭き取るなどのケアが必要です。
*しかし、こんなに深いと思ってなかったのでビックリです。



今日の研ぎ

今日は、白疾風を本刃付けしました。

荒目の砥石で切り刃を研いでみて、どんな事になってるのか(凹凸など)を
見てから、その後の研ぎを進めて行くのが最近の流れです。

先日の薄刃とは違い、少し苦労しそうな感じの切り刃具合でした(^^;

なので、切り刃再構築!って事で荒砥#400ぐらいので大まかに研ぎ込み
切り刃を正常に?仕上げてから、中砥へと進みました。

薄刃の研ぎ易さで楽をしているだけに、今回の庖丁は大変に感じました・・。

これからの刃研屋さんは、刃を付けるのみでは無く、買った人が最後まで
研ぎ易く刃付けしておく事が問われるかも知れません!
最初の凹凸だけの話しじゃなくて、、シノギの立て方とかも重要では?


ま、、、そんな事も乗り越えて(普通の事なんですが) 小刃合わせです。


白鋼系は砥石の粒子に対して素直な反応を見せると思っています。
砥石の影響が出やすい!砥石によって鋭くも滑らかにも出来る!
今日の白疾風は、その最たる庖丁でした。

面白かったのは、マルカで小刃合わせした時の反応です。
爪で滑って、髪の毛に掛かる! 
硬い物には反発?滑って、柔らかい物には掛かる感じデス。
これは、刃先にある鋸刃の粗さに秘密がありそうですね!


奥深し!


今日の本刃付け


今日は、鎌形薄刃を本刃付けしました。

研ぎ自体は、いつもと同じカスミッシモ風にて緩いハマグリに仕上げました。

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しかし、今日は砥石とか、研ぎ方とか、そんな話しじゃなくて。。
研ぎ職人さんから、上がった時からの話しです。


これは、オーダーメイドにて受注した庖丁で最初から手研ぎ本刃付け指定がありました。
ゼロからのスタートだったので、鍛冶屋さんが打って~刃研屋さんが研いで~~って流れ
で製作したのです。


鍛冶屋さんから庖丁を受け取り、少し寝かせて研ぎへ! この庖丁を研ぎに出す時、
刃研屋さんに、「刃元と切っ先周辺の凹凸とアゴの研ぎだれって無くなりません?」
その時、職人は「回転砥石で研ぐ以上難しいなぁ~。綺麗に出来たらエエねんけどな~」
ってな感じの話しをして、研ぎをお願いしました。

本刃付けする事が決まっているので、刃研屋さんでの霞処理は無しで仕上げてもらいました。
*せっかく霞ませても僕が研いでしまうのでは、勿体ないですし・・・・。


で、そんなこんなで仕上がってきた庖丁を本刃付けしました。

庖丁を受け取る時職人が、「まぁ研いでみて~」っと言っていたので、何かあるのかな?
っと少々ワクワクで砥石に当てました。


凹凸が!!無い!! って事では無かったですが、凹凸は極めて浅く仕上がっていて
研ぎ抜くであろう部分は事前に研がれていて、残ってて欲しい場所はキッチリ残って
いる仕上がりになっていました。

シノギ筋もパリっとしていて、究極に本刃付けし易かったです。

このようにするのは職人さんの苦労(神経を使う)もあっての事なのですが、この庖丁を
お客さんが買って、自分自身で研ぎを入れた時!「なんと研ぎ易い!」っと思うでしょう。


アゴ周辺の研ぎ過ぎ(研ぎだれ)も無く、切っ先側もスカッと抜けていて~~~。
難しい、薄刃の研ぎですが、普通に砥石で研ぐだけでピッタリ当たりました。
むしろ、当たりすぎて吸い付く感じ(笑)


庖丁は生まれが肝心で鍛冶屋でキマル!なんて言ってきましたが、研ぎ屋がキッチリ
しないと、良い物も良く育ちませんよね~。。


全部の庖丁が、このようにあるべきだと思うけれど、製造上の問題も多くある。
そのあたりの鬩ぎ合いが難しいですね! 

この庖丁を研いだ職人さんも、「何とかしたいよなぁ~」っと良く言うので、
目指している到達点は高い所にあると思います。


まぁ~しかし、土井さんの庖丁は良く切れますわ~
中砥当て終わった時点で、かなり鋭く切れ込む印象を受けました。


明日、もう一度刃先を整えて発送です!


牛刀の裏研ぎ


この最近、洋庖丁の最終刃付けについて悩んでまして。。

工場から上がってきた時の刃を、実践的に切れる刃にしたくて・・・。

良く切れるんですが、どうも掴みながら切れる感じが無くて、砥石を変えてみたり
研ぎ角度を変えてみたり色々試行錯誤してみました。

その中でも、洋庖丁(ステン系)の研ぎ角度に関しては得る事が多く、
表からの研ぎ率と、裏からの研ぎ率によって、切れ味が著しく変化して、
その先に出来る刃の性質が変わる事を感じました。


どちらかと言えば、和庖丁の切れ味が自分のベースになっているので、
コレは!!!っと思う切れ味については、偏りがあるかも知れません。
ただ、堺発なので和庖丁的な考えの元で洋庖丁に向き合うべきなのかも!


そんな話しを研ぎ職人さんを交えて話しをしたのですが、、色々と話し合った
事の仕舞いとして、「裏研ぎの処理」に行き着きました。


これまた、和庖丁的な発想が生きているんですが、庖丁は表側よりも裏側やろ!
ってな話しになったのです。


裏は表の研ぎを支えると言う事 (刃の強度や切れ味維持)

洋庖丁は裏の研ぎを無しにするど、恐ろしく切れると言う事 (ただ単に鋭いだけで良い場合)


文章に出来るのは、これくらいで実際の研ぎを説明するとなるとブログの範囲を超えます。


表側は、研ぎ慣れていると思うので、洋庖丁では少々難しい裏側の研ぎを意識して
研ぐ事で、今よりも鋭く長く切れ味が保てる刃を付ける事が出来ると思います。


ちなみに、今は悩み解決して~ 洋庖丁に和庖丁のような鋭い刃を付けてマス。
刃先は両刃なんですけどね・・・・。 なんか研ぎって奥深いですよね。。 自分で試して
迷路に入ったりしてしまいます。

プロトタイプ


特集文末にも書いた、来年に向けての新しい伝統を作るべき庖丁の試作品が出来ました。

まだ詳細は秘密ですが、本刃付けをしてみた感想としては。。。


メチャクチャ研ぎ易い。 砥石乗りが凄く良く吸い付くように研げます。
ただし、ハガネは硬く粘りがある。 カエリが取れにくい感じです。

直刃とは言いませんが、直刃に近い感じに研ぎ抜いて糸引きを入れました。

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メチャクチャ切れます。 どんな庖丁も研げば切れるんですが、鋭く切れ込みます。
親指を刃に押し付けると、「ヤバイ」っと思う感じに刃が入りそうになります。

本焼庖丁で、こんな風になるのは解るんですけど。。。


ここから先のテストは、この鋭い切れ味がどれくらい保てて、切れ味が落ちた時、
どれくらいの研ぎで鋭い切れ味に戻せるのか!

ここから先は、実践的なテストの始まりです。



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今回本刃付けの際に、切っ先アール維持の仕方を意識しました。
切っ先アールの研ぎ方ってありますが、維持する為に必要な事が色々と浮かびました。

この部分の研ぎは庖丁研ぎの難所でもあります。

普通に研いでいたら、自然にアールは失われる運命にあります。
それを、失わないようにする為にはどうしたらエエのか?

正夫と柳刃の違いにも繋がる話しになりそうなので、ゆっくり整理してみます。

正夫(しょうぶ)ですが、正式には 正武(しょうぶ)です!  

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牛刀と薄刃



家に帰って、台所に行くと白菜の芯が捨てられていた。
一番外側の、ちょっと痛んだ部分だったんですが、なんだか切りたくなったので
自宅テスト用INOX-SP牛刀とMy鎌形薄刃INOX本焼で、ネギを切るように刻んでみた。

包丁的には、両刃と片刃の違いがあり、洋包丁使い(ちょっと叩きめ?)な切り方と
薄刃の前に押し出す切り方などなどを試してみた。

やっぱし、片刃の方が良く入ると感じたし、包丁に合わせた使い方(切り方)をする事で
より一層包丁性能を生かす事が出来るのだと感じたのでした。


今日、会社で職人さんと包丁の形状について深く話す事があったので、白菜を刻む
程度の事ではあるんですが良い勉強になりました。


達哉的本刃付け

今朝は、240mm柳刃白二鋼を本刃付けしました。

土井作の古い逸品です。。

ゆっくりとした時間があったわけではありませんが、写真を撮りながら
研ぎをしてみました。 細かく紹介すればもっとあるんですが、ブログの範囲で!


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20年物に相当する柳刃庖丁です。
古い物である事と、錆止め防止ビニールを表面に塗っていますので、
ちょっと渋い鋼の色となっています。

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本来、錆止めビニールをシンナーラッカーで溶かし拭き取って本刃付けする
のですが、平部分や裏側などにサビが薄く浮くのを防ぐ為、最近はビニール
を除去しないで研ぎを開始しています。

09111102.jpg

#500ダイアモンド砥石で凹凸を取っていきます。
まだ、シノギラインに少し研ぎ残りがあります。
これくらいならば中砥で研ぎ取った方が、綺麗に仕上がると思ったので、
深追いしないで、ザックリと切り刃の基礎を造ります。

09111103.jpg

中砥に向かいます。
ハマグリチックにしたので、刃先は中砥に当たりません。
シノギ周辺も、中砥が当たっていませんが、切っ先に向かって研いでいくと
順々に当たって行きます。。 刃元のアゴ部分は、研ぎ残しています。
ここに合わせると刃が薄くなり過ぎるので、残しているのです。

見た目だけなら砥石を当ててしまえばエエのですが・・・。
ここで強引に研ぐと結果的に、この研ぎ残り部分が、研がれるまでの時間が
伸びるだけなので、長いスパンで考えて置いておくのが良いと思うのです。

09111104.jpg

中砥で切り刃全体を研ぎ込みます。
この時に、刃先を薄く研いで裏に少しだけカエリを出すようにします。
理想は、カエリを出さないようにパシっと合わせたいのですが、カエリを
出した方が確実に刃が付きます。  しかし、刃の減りは早くなります(><)b

裏に出たカエリは、中砥で取らない(裏押ししない)で仕上げ砥で押します。
中砥で裏を押すと研げ過ぎるので、裏刃が広くなりやすくなります。
面倒でも、中砥研ぎの最中でカエリを取りたい時は、仕上げ砥に変えて!!

*中砥で研ぎを終える方は、中砥で裏押しですね!

09111105.jpg

仕上げ砥の研ぎ終わりって、こんな感じになってませんか??
この状態を目詰まりとは言いにくいですが、目詰まり予備軍であります。

この状態だと、庖丁は砥石なりの粒度を得る事が出来ないと考えています。
目詰まりした状態での粒度を刃に与えてしまうという考えです。

09111106.jpg

なので、研石を砥石で研ぎます。

09111107.jpg

そうすると砥石同士の泥が出てきます。
これを利用して研ぐのも一つの方法です。 
仕上げ砥で切り刃を整えたい方はこのまま研ぐと良いと思います。

この時、砥石を研ぐ砥石によって、砥面の粗さや滑らかさが変わります。
この辺は、次回の特集にて!

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で、、僕としては、砥石の粒度をそのまま欲しいので、泥を全部洗い流します。
新陳代謝完了です!  

09111109.jpg

この砥石面で、刃先を研いで完成です。

カスミッシモにしても、砥面は薄く目詰まりっぽくなります。
ここから糸引きを入れに行く場合は、もう一度砥石を研ぎます。


今日は、ちょっと多めに書いてみました。
疑問に思う事もあるかも知れませんが、特集のように掘り下げてません!!
詳しくは、後々そちらでご紹介しようと思います。


11:00開始 → 11:32終了!! 短い庖丁は早いデスね(^^)

小刃と本刃


今日は、次回特集に使う為の「砥石の研ぎ」も加えながら、小刃合わせをしました。

買ってそのまま使う事は無いかも知れないのですが、買って切れないのもなぁ~。。
庖丁品質管理もあって、砥石に当ててみてますが。。。

たまに、ぴったしカンカンで、小刃でもスバスバ切れる場合もあります。
決して薄く研いでるわけでも無いのに、本刃付けした並みに良く切れるエッジが
生まれる事があります。 なんでそうなるのか解りません(><)b

引きを入れる感覚で小刃合わせすると、見違えるような刃が付きます。


で、本刃付け並みにエエ小刃付いた庖丁と、本刃付けした庖丁を比べてみました。

どっちも良く切れます!が・・・ 本刃付けした方が良く切れます。(当たり前です。)

会社で切るので、新聞紙などの食材外であるのですが、刃の掛かりと抜け具合は
全然違います。。。 解っていたけど凄いなぁ~ っと改めて思いました。

刃先だけ見れば、わずかな刃角の差であると思うのですが、切れ味には大きな差
が出るように感じたのでした。

時間掛けて研ぐ事と、チョイチョイっと研ぐ事の結果が同じでは困りますよね・・・。



 

来客~


昨日は、 「ブログを見てます!」 っと言うお客さんが会社へ来られました。

何だか嬉しいですね(^0^)b


庖丁研ぎ練習用に、アウトレット的な庖丁ありません??
っとの事で、ゴソゴソ探したら良さそうな逸品が!! レアな20年物です。
これまた、社長の計らいにて素敵な価格でお買い上げ頂きました!!


生まれてスグの庖丁でも硬いのに、20年も置かれた状態だったので、
+アルファの締まりが加わっているように思います。


本刃付け、結構時間掛かるかも知れません!!
出来たらメチャクチャ切れそうです・・・・。


今日の本刃付

今日は、INOX本焼を本刃付けしました。

先日書いた、柳刃と正夫の事を想像しつつ、目の前にある「うす引」に向かいました。
形状は柳刃風ですが、シノギラインが正夫風!! 

職人さんが意図してシノギを立てたのか??
これだけで、研ぎ易さがググっと変わってきます。


カスミッシモに拘っていたあの頃から少し離れて、ヒカリモンに向かってみました。

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アゴ周辺は、研ぎ製作上の理由で研ぎ残しがありますが、INOXに最適と思われる
刃付けが出来ました。 バチバチにしてみたいのですが、鋼材の性質に合わせて少し
丸めな感じの刃先となっております(^^)b

ヒカリモンって。。。写真の庖丁、そんなに光ってねぇじゃん!!




って事で↓
写真のピント合わせを変えてみました。 見た目は、こんな感じですね。。

09110402.jpg

しょ、食材が貼り付きませんか??


っと思ってしまいそうですが、濡れ布巾などで包丁を拭く事を考えれば大丈夫かと・・。
もしも、貼り付いたら中砥でグシグシ研げば、カスミッシモに出来ますし!!
最終的には、お客さん次第です。

 
この光らせるのは、貼り付きなどでの抵抗となり切れ味低下を招く可能性があるかも
知れませんが、化粧研ぎな部分も多いので切刃の構造をちゃんと作れば霞んでても
問題ないように思います。 お好み?こだわり?の範囲で♪


で、重要なのは、刃先の処理です。
ミラクルエッジのように数秒で再生しにくいけど、鋭く切れる方法を見つけました。
INOXは、青鋼みたいに少し甘い感じの刃が付くのが特徴です。
これが、白鋼のような鋭いエッジをたてれます。 条件があるのですが・・・・。

(今朝、見つけて、しっかり手を薄く切りました。柄を持つ手を止めれなかったら危なかった。)


今回の「うす引」はそれが出来ませんでした。 なんとか成らないか?っと試行しましたが、
刃が薄い庖丁は、刃を出しにくいと感じました。  
柳刃のように、いつも通り研いで刃が出る感じはなく、刃の頃合いを見ながら研ぐ事が重要!
そのかわり、刃が付けば怖いくらいに切り抜けていきます。


明日、最終小刃合わせをしようと思いますが、良く掛かる小刃を付けて送り出したいです。


プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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