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賄いハンター

先日、上田屋にて無力ながら助っ人としてお手伝いに行きました。

最初の仕事は、スダチを半分に切る!
INOXの牛刀で切りました。当然のように良く研がれていまして、、
快適に切る事ができました。 基本中の基本かも知れませんが、
一つの物をキッチリ半分に均等に切るのは簡単そうで以外と難しい。。

バタバタしている雰囲気の中で、急がなきゃ!!っと思うと余計にソワソワ。。
今回は、INOXだったのですが、これが鋼の庖丁で切ったとしたなら、錆びにも
警戒しなければだし、、追い込まれている状況では庖丁を洗ったり拭いたりする
のを、うっかり忘れてしまう事もあるだろうと・・・。

ちなみに、僕は追い込まれるほどの状況では無かったですが、雰囲気がそんな
感じだったので、、そんな事を感じました。

その他は、盛りつけを手伝ったり、お酒を運んでみたりと、色々させて頂きました。


そんなこんなで落ち着いた頃、、今日の賄いとなる”てっさ”を僕が引く事となりました!

師範「美味しそうにしてや~」っと

とりあえず、銀三鋼の柳刃で引く引く引く!良く切れ込みます。滑りません!
他の庖丁も使ってみようかと、土井さんの白二鋼で引く引く引く!!!

やっぱし、鋼の違いや重量感をモロに感じまして・・最後まで土井さんの庖丁を使いました。

2010-12-28-1.gif

厚みが安定していませんが、数十枚は美味しそうに引けました。
思っている切れ味と切れ込みが合うと、良い感じに出来るように思いました。
切れ過ぎてもダメっぽい、、腕が上がれば、切れ過ぎも自分の物になる??

調子にのって、花も作ってみました!
2010-12-28-2.gif

今回は、一回で引ききれない事が何回かありました。
あと、もう少しで切り終わるのに、庖丁が足りない状況です。
9寸の庖丁でも尺一寸にして使う技を、食材の状況に合わせて使わないとデスネ。


師範の鍋奉行にて忘年会と言う名の賄いを頂きました。
ど~やったら美味しく食べれるか? 同じ食べるなら、どう美味しく食べるのか!!
そういう事を考えていないと鍋奉行にはなれません! そう感じました。。

師範、ご馳走様でした~(^0^)

ワケありで、気になる。


今日は、ちょっと空いた時間を使って庖丁を研ぎました。
前から気になっていた事があったで、実験的な研ぎです。

2010-12-22-002.jpg

柳刃、尺の白二鋼です。 

鋼の状態を知りたかっただけなので、刃先だけ研げば良かったんですが、
なんかソワソワして、ペタペタと切刃をも研いでしまいました。

鋼の状態をチェックという事で、荒砥を使い、中砥を使いして鋼の研げ具合
や粘りとカエリの出る様子を試してみました。

アウトレット的な庖丁なので、アイケがあったのですが、研いると広く深く
出てきたので、写真を撮ってみました!

2010-12-22-003.jpg

コピー紙でも入りそうなぐらいのアイケです(^^; 
軟鉄と鋼が溶けて接合すると鋼の炭素が軟鉄に吸われてしまうとも言うし
ギリギリにしようと思えば、アイケがでちゃうし・・・。


そんな事を思いながら、研ぎ上げてみました。
結局、糸引き刃を入れて、人造砥石と天然砥石を当て比べて鋼の具合をみましたが、
普通に良く切れます。 多分、一般的には鋭いと言うボーダーラインは越えてます。


あんまし、気にしなくてもエエのかなぁ~。。 っと思うのでした。


しかしながら、どんな庖丁でも研ぎ立ては取りあえず切れるんで、、、耐久テストせねばデス。

仕上げに天然or人造

研ぎの仕上げには、やっぱり天然だろう! いや、最近の人造もエエで!
どっちかエエのか??  僕的には、どっちもエエです。


ただ、白二鋼など鋼材が限定されると、砥石によって引き出される鋼材の
能力があるように感じていて、そこから細分化すると鍛冶屋によって砥石
の種類なんかも、変わってくるように思っています。


最終的には切れ味や切れ込みなど個人の好みに左右されちゃうんですが、、
どちらかと言えば。。。コッチ!みたいなのはあります。


一人の鍛冶屋さんで鋼材を白二鋼に限定して考えると、天然で研いだ方が
切れ味は長く保つように思います。研ぎたてホヤホヤの鋭さは、同等だとして
同じ調理師さんが、同じように使った場合のお話です。

しかし!鍛冶屋さんによっては、天然よりも人造の方が、良い場合があります。
天然で研ぐと切れ止みが早いパターン、もしくは鋭い刃が付きにくいパターン!
人造の方が、カツンと言う鋭い刃が長持ちしちゃう!


砥石を軸に話しているので、庖丁の特性や性能は置き去りにしていますが、
それぞれに、メリット&デメリットがあると感じています。
8:2とかの差では無くて、6:4ぐらいの比率で、どっちかと言えば~
コッチ!!みたいな微妙な差ですが・・・。


持っている庖丁には、どんな砥石が合うのか!
趣味の方と、調理師の方とは違う答えが出ると思います。


*天然=一般的な合砥を示してます。(天然は個体差があるので、ザックリと解釈して下さい。)


ある程度、庖丁の性能や合う砥石を知った上で庖丁を買いたい方は、
研ぎが出来る刃物専門店へ行って、教えてもらうと良いかもデス!

#6000の砥石を#800の砥面に!

変なタイトルです。。

#6000の砥石が#800になるわけ無いんですが・・・。

偶に、普通の面直しでは砥面がリセットされてない気がして、
荒砥石や、中砥石で面直しをしてあげます。

特に荒砥石でやると#6000で固められた砥石に、#200~#400の粒子キズが多数入ります。
本当ならば、このキズを綺麗に均して使うのですが、面が粗いまま研ぎをしたりします。

色々試した結果、#800ぐらいの粗さが砥面への目詰まりも軽減されたり、鋭い刃を付け
易くなるように感じていて、刃の掛かりと言う面では、良い感じに上がります。

もちろん、面直しに使った荒砥や中砥の泥や粒子は綺麗に洗い流して使います。


#1000や#800のスパンで#6000の細かい刃を付けるイメージです。
滑り易い牛刀などでも、結構良い効果が出たりします!

#2000レベルのチョイ粗い感じの掛かりが欲しいけど、滑らかな感じがイイ!!
って方にはお勧めなのかも知れません。


天然砥石に名倉を使うような感覚になるので、わざわざ砥石を荒らす必要は無いですが、
面直しをする機会があると思うので、その時に一度お試し下さい!

超人造砥石


ちょっとした縁があって、超細かい砥石を試し研ぎできる機会がありました。
#15000や#20000と言う超細かい粒子で作られた砥石です。


15000や20000と記述がありますが、厳密には”だいたい”な感じみたいです。
粒度を測定するには限界があるみたい。。8000あたりが妥当??


砥石は粒度ばかりが騒がれますが、固め方や固める為の硬化剤などによって状況が
大きく変わるように感じています。 研ぎ味や研ぎスピードなどに関係??


15000や20000は確かに素晴らしい砥石でした。
カミソリのような刃を付ける事が出来ますが、砥石によってそれを長く保つには難しい
のかも知れないと言う感想です。滑らかになり過ぎると、早く滑り出す感じが・・・。


しかしながら、ココ一番に使う庖丁にならば良いかもと感じました。
20000は要らないですが、、15000は入手しようかと思っております。


趣味の範囲、もしくは超一流で尺一寸~尺二寸の柳刃で、刃元から刃先まで使って
刺身を引くような方には、オススメかも知れません。
天然砥石と同じような価格帯で安定感あります!4万円前後か。。


長く切れる刃がつく、天然砥石の不安定さも魅力ですけど(^^)

治りません^^;

風邪を引いてしまいまして、、なかなか治りません・・・。

生姜が良いと言う事で、100%に極めて近い生姜湯、生姜くず湯、
豚の生姜焼を必死に食べてます。 鼻が詰まると味がしません。

久しぶりに風邪のスパイラルに嵌っております。

健康が一番!! ですよね ^^

SK鋼の出刃

研ぎ修理で、SK鋼の出刃を預かりました。

小さい欠けがある程度でしたが、出刃になると小さく見えて深いので、
マシーンを導入して、細かい所は荒砥#220でグシグシ研ぎ抜きました。

焼きが甘いのか? 砥石が強靱なのか?

軟鉄も鋼も良く研げます。。。 なんと研ぎ易い庖丁なのでしょう~。
砥石を中砥に換えても、グングン研げます。

コレでエエの?っと思うぐらい早く研ぎ上がりました。

こうなると、どこまで鋭い刃が付くが気になったので、砥石の相性を
探ってバシバシにしてみました。 SK鋼も良く切れますわ~(^~^)b

競技の範囲では、上位に食い込めそうな感じのカミソリエッジです!
本職用としては、刃持ちに難アリな感じがしました。
”刃先の薄さで切れるエッジですね!”

このままでは、切れるけど刃持ちしない刃付けになるので、糸引+を入れ
出来る限りの強い刃にして終了としました。

研ぎ立ては、とりあえず切れます。 鋼材選びは、ここから先の話になります。

師走です。


もう12月です。 堺は、まだまだ暖かい。。 
海水も暖かいみたいで、カツオが未だに釣れているようです。

久しく更新していませんが、アレコレあってバタバタしてマス。。

面白いぐらいネタがあるのに、、貯まり過ぎて、何から書いたら
良いのかわらない(笑)もう少ししたら、再び更新出来そうなので
小出しに書いて行こうと思います。


プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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