帰国


私が海外に行ってたわけではなく、、庖丁が海外から修理で帰ってきました。

柄交換+研ぎ直しによる帰国だったわけですが、その庖丁の刃付けを見て驚愕!

極薄に研がれた刃が、アルミホイルのようにヒラヒラと。。。。

そしてツル首仕様に変形。。 シノギ筋は存在していたので、修復の余地あり!
って事で、研ぎ修理に取りかかりました。

ツル首を直すと言う事は、切っ先アールの復元作業でもあって、切っ先1寸を捨てる
覚悟でゴリ研ぎせねばなりません、、極力短くならないように整形しました。


極薄に研がれた刃も、刃先を薄くするのでは無く抜けを良くする方向へ研ぎ直し。
刃先では無く、切刃の中をしっかり研ぐ意識で強い刃先、抜けの良い切刃を施工。

実際はナチュラルハマグリになっているのですが、気持ち的には切刃の中に裏比が
ある意識で研ぎ抜きました。

薄さで切るのではなく、刃の掛かりと抜けで切るイメージです。


こんな風に研いで欲しい!!ってのを庖丁で研ぎ出してみました。
言葉が通じなくても、切った時に感じる事があれば良いのですが。。。


本当なら、ツル首にならないように、基本的な構造から研ぎ直す事が出来れば良かった
のですが、それは僕には出来ないので、とりあえず現状で出来る修理を施しました。


和食は、世界各地で人気がありますが、主にレシピなどが主流で道具の使い方までは
浸透していないように感じています。 世界で一番切れる調理道具としての和庖丁の
ポテンシャルを広げる事が出来れば良いのですが、一個人では中々難しい。。。

結果的に、その料理が出来れば道具をしての役割は果たした事になるのでしょうね。。
包丁屋だから、そんな事を思うのか。。。 

中仕上げ砥石


最近の本刃付けで助けられている砥石の紹介デス!


いつもダイヤモンド砥石、中砥石、仕上砥石の順番で本刃付けを進めていますが、
この中仕上砥石を使い始めてから、ダイアモンド+中仕上で90%ぐらいを完了させています。

最終糸引や裏押しは、別途仕上げ砥石を使用しています。

4000-toishi-s.jpg

酔心WebShop

自分の中では、非常に使いやすい砥石として位置付けされています。


調理師さんが使用される場合、中砥石まで戻るまでも無いけど、仕上げだけじゃ辛い。。。
といった時に便利な砥石になっています。


霞庖丁、本焼庖丁、 炭素鋼、INOX鋼、銀三鋼問わず、快適に研ぐ事ができます。
泥を残して研げば、綺麗な霞も作れますし、強く抑えて研げば適度な鏡面風を作れます。


中砥石だけで、砥ぎを終えられている方にもオススメの砥石です。


僕だけで、こっそり使っておこうかと、、思っていましたがw


近々に砥石購入を考えて居られるようでしたら、選考の一つに加えて頂きたい逸品です!


冷間鍛錬


冷えた状態で、鍛錬する事を冷間鍛錬と呼びます。

これが意味無し!と言う職人さんも居るのですが、意味ありました。。

焼き入れ後に、最適な焼き戻しすると包丁が動きます。
包丁を構成してる組織が、落ち着きたい所に動くわけです。

ここで、落ち付いた包丁を刃付屋さんが歪みを取り真っすぐ仕上げると
動かない包丁に仕上がるわけです。

昔の話だと包丁を寝かせて、落ち着かせるのはこの為!

ただ、焼き戻しによって本当に動かない包丁にしようとすると、粘りが出過ぎて
パリっと感が出にくいように感じています。(もの凄く刃持ちは良いけど!)

焼き戻しを多様する以外で動かない包丁を生み出そうと思った時、冷間鍛錬が
威力を発揮してきます。

鍛える事によって、鋼の分子が砕かれて綿密な組織になる事もありますが、
それよりも、軟鉄の組織が綿密になって、焼き入れや焼き戻しで動こうとする
鋼を制御しているように感じてきました。

それを感じた理由は、ちゃんとあります。
色々あるので、ここには書けないのですが.......。

否定的だった職人さんも「なんでや??」っと言った程です。

もう少し、試している事があるので後々報告出来ればと思います。


青森で地震ありました。。
お客さんや知り合いの方が居るので心配です。

研ぎの流れ


久しく更新が滞っておりました。。 僕は元気ですw

さて、新品の庖丁を本刃付けする時のアレコレです。

新品の庖丁を研ぐ時、どこから研ぐか!
闇雲に砥石に当てて、ベタ~っと当たる庖丁は、まず存在しないです。

庖丁と言うのは平面ではなく立体です。しかも思っているより複雑。
蛸引や薄刃などは、簡単そうに見えるのですが、これらが一番難しくて
夜寝れくなるぐらい悩む事もしばしば。。。

これが絶対だ!と言う訳ではないのですが、有効な研ぎの流れを記事にします。

柳刃庖丁の場合、僕は取り合えず切刃全部を軽く中砥石に当ててみます。

これで、切刃の状態を確認します。 (エクボの位置などなど)

なぜコレをするかと言うと、目で見ているだけでは解らない部分があるので、
実際に当てて、確認をする事にしています。

確認後、どこをどのように研ぐかのプランをある程度立てて研ぎ始めます。

ざっっくり分けて、切っ先から切っ先アール付近、アール付近から刃元の
2つに分けて考えていくのですが、順序としては切っ先アールのシノギ筋を
立てにいきます。

シノギ筋を立てる時は、絶対に平面の砥石で行わないと、綺麗に出せません。



この時、切れる刃先が砥石に当たっていなくてもお構い無しです。
取り合えず、シノギ筋をしっかり立てる事が出来れば、あとは時間との勝負!

次に、刃元までのシノギを立てに行きます。(この時もシノギだけ狙う!)

刃元から先までのシノギ筋を均一に整える事が出来てから、切刃を研ぎに掛かります。

だいたい、切っ先付近と刃元にはエクボがあります。

切っ先付近のエクボは確実に取りたいので、研ぎ取っていくわけですが、エクボの回りを
グシグシ研ぐと、いずれ刃先に影響が出てきて、刃が薄くなり過ぎてツル首になろうとする
事が多いです。

この部分のエクボは研ぎ取る方向があって、切っ先側へ研ぎ抜いていきます。
場合によっては、切っ先のシノギ筋を少し上げる事も必要になります。

切っ先アールも切っ先側へ研ぎ抜くイメージで研ぐと、形状が変わりにくい。
(それでも、研ぐと切っ先アールを無くそうとする庖丁が多いかも。。)

一番ややこしい切っ先アール付近をクリアしたら、あとは、刃元までをグングン研いで行く
ハマグリチックにするのか、ベタにするのかは、好みの問題です。

感じるか感じないか程度に反った砥石で研いだナチュラルハマグリがベターかな。。。。
カンナみたいに超ベタにすると、庖丁として成立しないとの意見もありますし、砥石と
直角に庖丁を当てない限り、若干のラウンドは切刃に出ているのかもデス。。
これは、使い手によって色々なので、本当に好みの部分が多い!


さて、刃元に残っているであろうエクボはどうするのか?

お薦めするのは、無理に研ぎ取らない事です。本刃付け依頼されても、だいたい無理に
取らず、購入される調理師さんが、日々の研ぎで取れると思われる程度で止めます。

しかし、どうしても取りたい場合は、刃元の方へ研ぎ抜いて行きます。
ちょっと、刃元にダレる感じになるのですが、一番大切にしたい部分(刃元1寸から上)を
守る為には、この方法が安全牌です。

これらで、ある程度基礎が出来たら、中砥石を面直しして切っ先から刃元まで研ぎ込んで
行きます。 シノギが決まっているので、切刃の刃肉調節や刃の薄さ調節の部分です。
この辺りは、単純に研ぎ込んで行くだけで時間が最も掛かるように思ってます。

僅かにカエリが出る位で止めた方が良いかも。。僕は、中砥石で極力”カエリ”を出さないように
研ごうと思っています。 カエリを出した方が早いんですけど。。新品の幅で研ぎを終えたいから。

研ぎの最中にカエリが出てしまったら、平面の砥石で裏押しを行っています。
中砥で出たカエリは中砥で取るのが良いですが、反っていると裏刃に悪さをします。
なので、中砥のウラ面を裏押し用に慣らして置くのも良いかもです。

中砥である程度研げたら、あとはお好みの仕上げ砥石で切刃を研いで行きます。
カエリが出たら、仕上砥石で裏押し! 仕上げ砥石を使い出したら中砥石で裏押しは☓


刃先の薄さなど、最終微調整は仕上げ砥石でじっくりと行ないます。
中砥でやると知らない間に研げすぎたりするので、、、特に最近の新しい砥石は研磨力がある
ので、気が付いた時には、遅かったりします。。。

糸引きを入れる場合は、本当の最後に仕上で研いで仕上で裏押し!


文字ばっかりで読むのがしんどい記事ですが、僕の研ぎの流れです。



良い庖丁を買えば、中砥石を使うのは初回本刃付けと刃肉が厚くなった時だけで済みます。
ほとんど仕上砥石で刃が戻るように思います。使用頻度や使い方によってはこの限りでは無いですが。

仕上げ砥石で戻る!と言うのは、切れ味が中砥石で研ぐまでに落ちない事を意味しています。
ある一定のラインを超えると、中砥を使わなくてはならないのですが、一定ラインを超えなければ
仕上げ砥石で大丈夫!

ちなみに、白二鋼、白三鋼辺りは、中砥に戻る必要があると感じています。

それでも、上記に書いたようにシノギ筋を先に出して置けば、後々の研ぎは楽になります。
シノギ出しは自分自身で研ぐラインを形成する作業です。


長くなりそうなので、ここの辺で。。。  ←十分長いw

今日の研ぎ

今日は、来客で特に作業が出来なかったので、研ぎ場にてF-1クラスな包丁の小刃合わせを行いました。

F-1クラスってなんやねん?? っと思う方も居られると思いますが、包丁使い+研ぎが出来ないと
使えないと言うキワモノな包丁です。。

小刃も最適な角度の許容範囲が狭く、もっともっと!!!っと攻めると逆に切れなくなると言う感じ。

5本ほど小刃合わせしましたが、凄く良い勉強になりました。。

オークション!


職人さんからの依頼にて、、オークション掲載商品のお知らせデス。。

白二鋼水本焼き柳刃包丁

白一鋼水本焼き先丸蛸引き

ちなみに、酔心の製品ではありません!

僕も一度だけ、この庖丁(現物)を見た事がありますが、古い庖丁だと思います。。
年季が入った庖丁と言う事で、値打ちは相当ありそうに感じています。

興味のある方は、入札どうぞ!!


一応、紹介のみですので、詳しい事は出品者へ問い合わせて下さいませ。。

以上、お知らせでした!

今日の本刃付け


今日は、白二鋼水本焼の柳刃を本刃付けしました。

基礎の砥ぎのお陰で、すんなり切刃を当てる事が出来ました。
職人さん、ありがとう!

これは、僕の本刃付けが楽だったと言うだけでは無く、お客さんの元でも砥ぎ易さが
継続すると思います。 そんな砥ぎをされた庖丁は、なかなか無いデスよ。。多分

2012-5-9.jpg

本焼なら、鏡面チックに仕上げるべし! って事で鏡面風になっております。


もう少し砥ぎ込みたいので、明日再度砥ぎを行う予定ですが、終わりに色々な砥石で
糸引を入れてみました。 やはり白系統の鋼らしく、砥石に合わせた掛かりが得られます。

これは、実際に食材を切ってみないと解らないのですが、明らかに切れる事は想像できます。
後は、調理師さんの切るリズムや感覚と抜けの好みに落ち着きそうです。



そうそう、、「抜け」って何? と聞かれる事が多いですが、、僕個人としては、食材との摩擦が
少ない事が抜けが良いと今は考えています。 ハマグリよりも直刃の方が、切れ込みが良い
ように、切っている最中や切った後の食材張り付きが少ない方が抜けが良い。

単純に考えると、薄い庖丁は抜けが良いと思います。(そもそも和庖丁自体、抜け良く作ってある。)
圧倒的に切れ込みは良くなる。その後引いて来る時にの問題があるかもデス。。。。
薄い事によるデメリットもあるので、抜けだけを考えるのも良し悪しです。。

ただ、厚口、中厚、薄口の庖丁全てに言える事は、裏スキが根本的な抜けに大きく影響を
及ぼしている事です。 切っている最中、裏面に極力食材が触れないように工夫されている構造。
これは、間違いありません!! なので裏スキは大切に。




話は、どんどん変わりますが、INOX本焼も小刃合わせをしました。
砥石は「もう~コレ!」って相性が確立していたのですが、もしかして・・・この砥石だったらっと
思い立ったので、研いでみた所、、、それ以上に掛かる刃が得られました。。 どうしよう~。

とりあえず、、 上田師範に、この砥石で研いだ庖丁を渡して実践投入をお願いしようと思っています。
やっぱり、実践で試してみないとデス。 僕が1回2回切るのでは意味が無い!(意味が無い事も無いw)
久しぶりに相性調査でワクワクです!



博士がきたよ!

今日から、お休みを頂いております。
本来、釣りに飛び出したい所ですが、事務的な仕事をしております。。

さて昨日、いつも違う観点から僕にアドバイスを下さる博士が会社に来られました。

僕の「こんな感じな気がする~」とか「多分こうでは?」っと言う事などを調べて下さって、
データまで頂いております。。 妄想から実証になって裏付けが増えて行きます!

始まりは、「ノコギ刃はノコギリになってんのか?」っと言う所から始まったように記憶して
いますが、現在は粘りと硬さに関しての話題で盛り上がって??いますw


いつも客観的な考え方で、1つの考えから幾つもの可能性を定義して下さるので、解決への
糸口が増えて助かっている次第です!


今回は、鍛冶屋さんも交えて、焼入れの事や焼戻し、鍛造についての話もディスカッション!
堺で培われた、経験と勘の世界と、学術的な観点を折り合わせた話は、複雑ですが、面白い。


そんな中、二人だけで砥ぎ場に入る時間がありまして、、砥ぎに関しての僕の理論?妄想?と
このブログを見て、試された事々を博士が顕微鏡などで刃先をチェックした事、博士が想像して
砥ぎをした結果などを話し合いました。


結局どうなのよ? そうでしょ? そうだったんですか~ ってな感じの話になりました。

↑話が事を細かく書くと(説明すると)超長い文章になるんで・・・。 


そんな中で、一つだけ紹介すると、「ナチュラルハマグリ刃」の存在です。

研いでいるだけで、自然にハマグリ刃になってしまうんじゃね? っと言う事なのですが、
僕が思う柳刃に対するハマグリ刃とは、実はナチュラルハマグリ刃である可能性が!!!

ハマグリ→アサリ→シジミ→ホタテ刃  
ハマグリ刃の作り方動画を一気に更新しなければです!

僕の基礎的な考えだと、砥石は平面である事を基本にしています。途中で嫌な感じがしたら
面直しを行います。なので、平面から造るハマグリと言う点で段刃か~ら~の~ハマグリ刃!

だったんですが、実際はそこまで平面で研ぐ事は少なく、研いでいく最中に砥石が反ってくる
訳です。。この反り具合に応じて「自然にハマグリが生まれる」=「ナチュラルハマグリ」!

なので、適度に反った砥石で研いでくださ~い! って乱暴な事は言えません。

これは、切刃だけのハマグリでは無く、厳密には刃先にも影響を与えるからです。。
更に、その反った砥石で裏押しをしよう物なら、完全な裏平面は得られません!


博士の話では、表用と裏用の砥石があればベストですよね~w っと。。。僕も同感!


ただ、あ~この人凄いな~ っと思ったのは、僕の微小に反った研石で砥ぎをされた時、
刃先を研ぐ時は、きちんと平面を探して研がれていた事。。 


今回、調べて頂きたい庖丁を2点お渡ししました。 どんな結果が来るのか楽しみです!
鍛冶屋さんも、「私も~お願いしてよろしいでしょうか。。」っと。。


そうなる!と思って造るのと、そうかな~っと思って造るのでは違いが出るかもです。
事実、僕がそうなる!と思って研げていけるのは、博士のお陰でもあり、実践場の上田師範
からの意見でもあります。


過去に頂いたデータをWebで使ってもOKっとの事ですので、皆様にも「そーゆう事か!」と
思って頂ける機会が出来るではないかと思います!

我儘言って、刃先では無く滑らかな刃で切った断面の顕微鏡写真が欲しい!!っとお願いしました。
照っている刺身や、以前紹介した玉ねぎの断面など、本当に細胞がどうなっての??が気になります。
設備を使っての事なので、無理は言えないのですが。。。  博士、、よろしくお願い致します。

っと言う事で、天気予報と睨めっこして釣り場に飛び出そうとおもいます。


ナイフシステムは、5月7日から通常営業に戻ります。
プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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