研ぎのカラクリ


恐ろしく暑いですね。。
熱中症にはくれぐれも、ご注意下さい。

さて今日、お客さんが遊びにきました。
以前、伝承を研いで下さっている山口氏の包丁をお買い上げ頂き、その感想などを
頂きました。 やはり研ぎ易かったようです。 僕も研ぎ易いと思ってます。
山口氏の研いだ包丁を本刃付依頼される事もありますが、この包丁こそ購入された
方自身で本刃付する事により、その違いが歴然とするように思います。

そんなこんなで、この包丁以外の研ぎについて質問?相談も受けました。

どうしても切っ先アールの部分の刃が破れて形状が変わってしまう。
切っ先アールのシノギが綺麗に出にくい、、シノギを出そうと思うと刃が破れる。
切っ先の1cmぐらいがツル首になりがち。

っとの事、

これらは、研ぎ方と包丁の構造を理解する事で解消する事ができます。
ちょうど、荒研ぎで止まった包丁があったので、基礎的な構造の話を聞いて頂きました。

「なるほど、、そういう事やったんか〜」
「これを皆に教えてあげたら悩み解消する人が増えると思うで〜」っとの事。。

言葉で書くのは簡単なのですが、書き方を間違えるとエラい事になるなるので、
よく精査して書かないとダメだな〜っと今考えています。

相対で説明していくのは、ニュアンスなんかも伝わり易いのですが活字にすると、
捉え方も色々になるので、どんな風に言い回せば良いのか。。。作文の勉強ですw

やっぱり書いていかないと!


先日、博士と電話で話しました。

鋼材組織の事や、研ぎ角度(砥石に当てる角度)の事だったのですが、
博士は、色々な研ぎ師さんとも話しをされているようで、ある人はこんな事を言ってた!
などを教えて下さいます。

何個あったか忘れましたが、「それ!僕も考えてやりましたw」ってのがありました。

もしかして??こうじゃね?っと思う事は色々あるわけですが、書いたら変なヤツ
思われそうな気がして、躊躇したりしてました(笑)

同じような事を考えて実践している研ぎ師さんが居る事を聞いて変に安心したりしてます。


いや~しかし、博士は言葉にするのが上手いといいますか、理解力があるといいますか、
僕がモンモンとしてる事を、確実な言葉にして話して下さいます。

そう! そうなんですよ!! それが言いたいんですよ! っと思うばかりです。


近日、堺でお会い出来るので、色々話したいと思います。


家庭用文化庖丁の砥ぎ


主婦の口コミなのか。。続々と砥ぎの修理が来ています。

夕方(夕飯)までに、、っという時間指定がされるので、必死のパッチですw

そして、来てしまいました。 中々刃が付かないと思われる文化庖丁が!!
なんか、お客さんが袋から庖丁を出す前に、「きたかも!」っと感じてしまうのは
何故でしょうか(笑)

予感的中で、ステンレス一体成形の庖丁が登場しました。

夕方取りに伺います!との言葉を残してお買い物に旅立たれました。。


この手の庖丁は、鋼材に合わせた刃先の絶対角があるように思っています。
絶対角とは刃先の角度で、ザックリ言えば鈍角な状態。

最初は切れていたハズなので、刃が付かない事も無い。。

なので、この手の庖丁を扱う上では、この絶対角を探さなければ折り合いが付きません。
新品の庖丁だと、刃先に向かって垂直に砥ぎ目がある事が多いので、カンナを研ぐように
砥石と直角に庖丁を構えて中砥石で研いでみました。

これが結構ハマって、おお!いけるやん^^ っと・・・。

ここで止めておけば良かったのですが、色気を出して仕上げ砥石を当てに行ってしまった。
すると、切れ無い刃に変貌!! 何じゃこりゃ??
要するにカエリが薄く出て悪さをしよるんです。 左右に砥石上で揺すってもダメ!
 

負のスパイラルに巻き込まれそうになった所で、この庖丁が入っていたパッケージを見た。
もちろん、研ぎ方などが丁寧に書かれています。

そこに一行「合成中砥石を使用して下さい。」との文言が!!

説明通り、合成中砥石で砥ぎ上げたら、究極では無いものの、普通に切れる刃が付きました。
↑一応オチ付き↑

なんか拍子抜けです。。 これも一つ砥石との相性と言うヤツかも知れませんね。。


釈然としない感じではありますが、一つ引き出し出来ましたw


夕刻、庖丁を引き取りに来た主婦の方々で店のカウンターがスーパーのレジ待ち状態になってました。
今日の夕飯は、楽しく料理できたかな~。


研ぎ修理


昨日から、研ぎ修理のラッシュがありまして、主に家庭用ではありますが
持ち込みが続きました。 ステンレスの三徳庖丁や牛刀などは容易いのですが、
和庖丁が来ると家庭用と言えども大変です。

何が大変かと言うと、錆です。。

2012-7-17 003

写真は柳刃庖丁の裏面です。。受け取り時は錆で真っ黒だったので、
どんなもんかと裏押ししてみましたが、浸食は激しく・・・。

2012-7-17 004

ポツポツをと穴が開いています。 まるで虫歯の様に奥深く・・・。

2012-7-17 005

表の鋼部分にも見えにくいですが、黒い点々があります。

当然穴が開いている状態なので、ここまで研げば穴に到達して欠けた様になる。

2012-7-17 009

表は研ぎ込めば、なんとか無くなるのですが、裏の比に付いた穴は除去出来ませんでした。
(これはバフで裏面を磨いた後の写真です。)

裏面も一気にガ~っと機械で研ぎ下ろせば消えますが、それと同時に鋼も無くなります。
やり過ぎると、鋼が薄い包丁の場合、地金(軟鉄)が出てくる事もあります。

だいたい、家庭用ランクの庖丁になると鋼が薄く入っている事が多いので注意が必要です。

なので、裏面は錆が付かないようにしなければなりません!
錆を見つけた瞬間、サビトールなどで除去する事をオススメします。
ほんと、腕に蚊が止まってパチンっとする位の勢いが必要かも知れませんね。。

”最後の写真にある黒い点の錆スポットまで庖丁が減ってくると、ここで欠けたようになります。”

続きを読む

今日の研ぎ

仕事が終わってから、白一鋼本焼の本刃付けをしました。

これは商品ではなく、キズ物でして。
アウトレットにも出来ない本焼を作る上でリスクを背負った1本です。
本当なら、廃棄してしまうのですが、いくつか研ぎ確認の為に本刃付けをしてみました。

確認したかったのは、砥石と包丁を当てる角度(45°とか60°とか)による研げ具合。
それと、砥石と研ぎストローク幅によるアレコレ、指に穴が開かないように研ぐ方法の模索。

砥石と包丁当てる角度で確認したかったのは、角度を変える事で切刃の研げる場所が変わる?
のでは無いかと言う点。45°を軸として様々な角度で砥石に当ててみたりしました。

一定の角度で研ぐ方が、切刃の状態としては綺麗に仕上がるのですが、形状を維持する為に
は角度を変えて研ぐ事が必要な気がしていて、特に研磨力のある砥石を使う場合にコレが
重要なのかと。。。 荒砥、中砥で研ぎを入れる時は、角度ミックスで研がないとです。
ある程度、切刃の構造が整ったら、中砥などで一定の角度を保って研ぎ目を整える。

以下、写真は本焼ではありません。。

2012-7-13 001

45°で研ぐスタイルです。一般的には、このスタイルを推奨していますが、
この状態で、研ぎ進むとシノギ筋付近から研げ抜けるケースが多いです。
いつかは、刃先まで研ぎが届くのですが、新品の包丁だと薄くなり過ぎる事がある。

「良くない!」とは言いません。 非常に安定した研ぎは可能です。

ただ、一箇所集中研ぎになり易い面もあったり、砥石が反り始めるとナチュラル
ハマグリになりやすいような気がします。切っ先から刃元まで均一に研ぎ流す事が
必要になるかも知れません。

それと、この研ぎ方で刃先を研ぎに掛かると指に穴が開きやすいイメージもあります。
右手の柄を持つ角度で刃先を当てる事が出来れば問題ないです(自分で角度調整する。)
指で研ぎたい所を押さえて研ぐスタイルだと、じわじわ血が滲む事があります。

2012-7-13 002

60°で研ぐスタイルです。これは砥石と平行気味に研ぐ事になり切刃全体が研げてゆきます。
砥石と接する面が多いせいもあって、研げるスピードは遅くパリっとしたシノギも立ちにくい。

このスタイルで、刃先を当てにいくと、指に穴が開きにくい印象があります。
点よりも面で研ぐイメージがあるので、時間が掛かりますが、ある程度研ぎ抜けた包丁になれば
このスタイルがお薦めであります。 (仕上げ砥石だけでOKな状態になれば!)

どちらも良いメリットがあるので、この両方を研ぐ際にミックスして研ぐ事で均一で
素早い刃付けが出来るように感じています。

2012-7-13-006.jpg

右手で角度を付けないで研ぎに掛かった際、45°だとシノギ付近から研げてくるように思う。
シノギ筋を立てる時は、この方法が良いですが、自然に刃先まで狙うには時間が掛かる。
しかし、歯肉の厚みを抜くには45°が良く切刃全体をスキっとさせたい時は、時間を掛けて
研ぎ抜くと良いと思う。 指先に穴が開く覚悟で刃先を45°で狙いに行くのも一つです。

60°だと切刃全体が当たるので、均一に研ぎを行い易い。どちらかと言えば仕上げ研ぎ向き。
しかし、ずっと45°で研ぎを入れてきて、仕上げ砥石で60°にするのも問題で、中砥石などで
研ぐ際も、偶に60°を入れると切刃が安定して、仕上げ研ぎに繋げやすい。 と思う。


45°とか60°とかわからん! と言う方の為に。。

2012-7-13 003
45°の写真

砥石の角を使った角度の見方を。。。 そんなん知っとるわ~ と言われそうですが、
研いでいる最中に、この砥石の角と包丁の角度を確認しながら、研ぐと解りやすいです。

2012-7-13 004
60°の写真 (本当に60°かどうか測ってません、だいたいの角度です。。)


さて、60°にするメリットがもう一つありました。

2012-7-13-005.jpg

だいたい、切っ先アール付近から刃が破れて切っ先の切刃幅が狭くなるかと思います。
45°で研ぎを入れてると、切っ先アールを研いで破ってしまう。。
切っ先アールの研ぎ方を実戦しても、あの出っ張り(アール)は凄く意識しないと自然に研げてしまう。
そんな時、60°で当てていると、破れにくかったり、写真の切っ先部分の切刃幅を研ぎ出す時にも便利。

60°で研ぐ時は、「突く」などど表現したりします。 砥石と平行に研ぎ出す感じですね!

文章だけでは、解りにくいので今度軽い動画でも紹介できればと思います。


では、良い3連休を!!  

ラボ


久しくブログ更新してませんでしたね。。

遊んでたわけではなく新しい発見の連続で、ブログに書く前に新しい事に
出会ってしまい、そうなると過去の事を書く事になるなぁ~っと思って。。

この出会いの部分が実は面白かったりするので書かないとダメですねw

引き続き研究と実験に勤しんでいまして、博士のお助けもありデータが集まってきました。

色々な鍛冶屋さんの包丁状態を調べる作業をしているのですが、切れ味や研ぎやすさ
などが理論的に?物理的に? 解明されてゆくのが楽しくて仕方がありません。

これまで、こんな感じとか、そう思うなどの表現が多かったのですが、もう少し的を
絞った表現が出来るようになるのではないかと思ってます。

今はまだ、僕自身が情報の渦に巻き込まれている最中なので、一通りクルクル回って
から、ブログか特集で詳しく書こうと思います。


職人さん訪問!

先日、鍛冶屋さんへの注文も兼ねて、工場をはしごしました。

鋼材の事や、こだわりを聞いてきた感じですが、考えている事が違っていました。
当然と言えば、当然なのですが色々な裏事情も聞けて、各職人さんの包丁を研いで
いる感じとリンクさせると納得出来る事も多く、、鍛冶屋選びの重要性を改めて感じました。

安く買いたいのか、長く切れて欲しいのか、鋭く切れて欲しいのか。。

これによって、鍛冶屋選びがされてるように思います。

究極の話ですが、長く切れる包丁:鋭く切れる包丁は両立できますが、割合があります。
その割合は、研ぎにも影響してきて、長く切れる包丁ほど研ぎテクニックが必要になる
ように感じています。 粘りの制御といいましょうか。。。

長く切れる4、鋭く切れる6ぐらいの割合が良さそうかな〜っと思いますが。。。
(使い方、まな板との兼ね合いも考えた感じです。)

逆に、硬さを追求して長く切れる庖丁を生み出す方法もあるかもしれません。
砥ぎに時間を掛けれる環境にあれば、これも一つの選択肢です。

堺の鍛冶屋さん(酔心が取引している鍛冶屋さん)は、研ぐ事も前提とした庖丁造り
をしているので、硬さと粘りの割合に話が進みがちです。。。

で、、

僕が思う割合とバランスを鍛冶屋さんと刃付屋さんの協力の元、調整に入りました。
第一回のテストが先日終わりましたが、良い方向に向かっています。

プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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