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白一鋼出刃


今日は、白一鋼出刃本霞を本刃付けしました。

そんなにややこしいエクボも無く、すんなりと刃付けが出来ました。
シノギに気にならない程の僅かな揺れがありましたが、アッチコッチ研ぎ
で数分で修正する事が出来ました。←今日の大きな収穫!

2013-5-31-001.jpg
切っ先アールから上の写真です。

2013-5-31-002.jpg
中腹の写真です。 光の角度でコッチの方が綺麗に見えますw

この二つの写真ですが、研ぎ筋(研ぎ跡)の角度が違います。
っと言うか、変えて研いでいます。


アールの強い庖丁は、僕個人として2つの研ぎ方を使っています。
今日の方が、簡単に形状維持し易い+研ぎ易いかも知れません。


肝心の庖丁の研ぎあがり、切れ具合ですが、、白一鋼らしい鋭さです。
しかも粘りがあるので出刃に最適! 柳刃のような鋭さを持った庖丁です。

鯖とか、鰆とか、そんな魚を三枚卸したくなる庖丁です!


久しぶりに、手の薄皮を引いてしまいました(^^;

左出刃研ぎ修理



昨日、今日と他社製の左出刃を研ぎ修理しました。

中々手強い1本でして。。。用途に合わせた鎬の立て直しと刃肉抜き。
裏は触れないので、現状維持といった感じです。

一番困ったのが、刃元の鋼が薄くて鋼が1mm程しか出なかった事。

結構追い込んで鋼を出そうとしましたが、全体の折り合いを狙うと
刃先側の鋼が出過ぎるので、1mm程度でストップ。。

鍛冶屋さんの鋼付け具合が偏ったのかも知れません。
左の出刃なんで、余計に難しいのかも。。

白鋼の出刃だと思いますが、しっかりと掛かる刃が付きました。
荒、中、仕上げの順番で研げば、確実に鋭く掛かる刃が付きますね!
仕上げ研石で、アレコレすると、滑らかさが出てしまう。
サササのサっと研ぎ終えるのも重要かも知れません。

明日は、白一鋼出刃を研ぐ!! 今でも十分切れそうなんですが。。。

取材でした。


昨日は、朝から海外のジャーナリストによる取材でした。

土井さんの工場に行き、敬次郎氏に会いたいっとの事で、
わざわざ、敬次郎氏に工場へ来て頂いての取材でした。

少しだけ横で取材内容を聞いてましたが、敬次郎氏いわく、
鎚を持った腕が上がるなら、まだまだ庖丁を作りたい!っと。。。

鎚を置いた後でも、あ~したら、こ~したらっと思う事があるようです。

仕事止めたら手が綺麗になったわ~
IMG_0881.jpg

IMG_0882.jpg
現役の時は、手のしわに煤が入って黒くなっていたのです。


IMG_0883.jpg
「暇してるから、いつでも呼んでや~~」っと言ってました。。
僕も、ビデオカメラ持ってインタビューしておこうかな。


余談ですが、敬次郎氏は工場では作業服で、
仕事終わりで庖丁を納品する為に、酔心へ来る時は写真のようなジャケット姿でした。
ネクタイまではして来ませんが、敬次郎氏なりの礼儀を感じていました。
作った庖丁を嫁に出す感じかも知れませんね。


実際の製作工程は、逸夫氏が実演しました。
スピーディーでパワフルな製造工程は、これからの土井刃物を背負う
職人としての雰囲気が満々と出てました!

IMG_0828.jpg

敬次郎氏の息子へ思う想い等を聞いて工場取材終了しました。


職人さんの話を聞くのは面白いです。


油焼 青二鋼 薄刃


今日は、油焼 青二鋼 薄刃を緊急修理しました。

刃の欠けを修正する作業でございます。

油焼がマッタリしてるとか、甘い感じ!と言いますが、
何をおっしゃる!! っと思うほどの硬さがありまして、腕がパンパンですw
*腕に疲労が溜まるような研ぎしたらアカンのですが・・・。

使い方に神経を使う水本焼より、油焼の方が青鋼関係は良いかもデス!

で、、お皿に当てて欠けた薄刃は、それなりのダメージでして。。。。

刃を一度捨てて、鎬から下を再構築する作業となりました。


薄刃にも関節がございましてw 庖丁の寸法にもよりますが、先から3寸辺り
にあります。普通に研いでいると先が細くなってしまう薄刃の秘密はコレです。

これを克服する方法は、独創研ぎ師の山口さんが研いだ庖丁を選ぶか!!
研ぎで攻略するしかありません。←一般的に95%以上はこっちになりますよね・・・。


今日預かった庖丁は、どこの誰が作ったか解らない未知なる庖丁なので、
普通に研ぎ掛かると先が細くなる仕組みになっています。


この刃をどのように研いで攻略するのか!!ですが、、

一つは鎬筋と関係なく切刃の中に鎬を作って平均化を図る方法があります。
しかし、これだと刃肉が残りやすく食材への抜けが少々悪くなってしまいます。

僕は良く使う方法は、三角研ぎですw ←勝手に命名した
切刃の中を三角形?台形?に研ぐ方法です。これは文章で説明しきれませんが、
底辺は刃元の刃先から鎬まで! 先は、関節の刃先辺りです。(庖丁によって先の場所変わります。)
この三角形を意識して研ぎ最後に関節との辻褄を合わせます。

なんや、ややこしい感じですが、、そんな方法です。

切れる切れないに関係があるようで、無いですが、形状維持と抜けの為の研ぎ行動です。


肝心の薄刃は、ぶっちぎりで鋭く仕上がりました。。
油の青らしく刃先にカエリがチリチリ残ったしたので、軽く糸引き入れて完成!
あとは、板前さんの好みで研ぎをされるでしょう(^^)b


砥石ぶっ飛びの結果


先日のブログで記載した上田師範の庖丁を砥石の番手ぶっ飛びで
仕上げた結果が今日、解りました。

結果としては、ぶっ飛び過ぎた感じですw

研ぎ上がった時は、言い知れる切れる感があったのですが、さほど
刃持ちはしなかったようです。。。切れてるけど、掛かる感が薄い!
でも、切れ味は滑らか〜って感じです。

って事で、今日は#500から#6000にしてみました。

ゆったり仕事が出来る環境ならば、滑らかに研ぎ上げた方が良いですが、
忙しく、追い込まれるような環境なら、食材を捉えて確実に断ち切る刃を
仕込む事で、ストレス無く仕事に迎えるかも知れません。

色々やってますが、こんな事しなくてもパリっと刃が付く炭素鋼は、やはり良いですね〜。


最近の本刃付け


時間差の研ぎ報告w

最近の本刃付けのコーナーです!

2013-5-21-1-003.jpg

舟行薄口の庖丁であります。

出刃に近い切っ先アール形状があるので、切刃のアールを綺麗に研ぎ出す
一つの方法を少し・・・。 


和包丁には3関節ぐらいあります。 刃元 中腹 切っ先アール の3関節
これを感じて研ぐ事が重要で、研ぐ側が強引に研ぎ出そうとすると刃が破れて
形状が崩れたり、鎬筋が狂い出したりします。

刃元から中腹は、多少強引にやっても大丈夫な場合がありますが、切っ先アール
付近は強引にすると、収拾がつかなくなったりします。。。

で、、庖丁の種類にもよりますが、刃元は使用頻度が低い部位でもあるので、
最後の最後に置いといて、、最も重要な切っ先アールから研ぎ出します。
切っ先から中腹に向かって研ぎ降ろしていく事で、上手く研ぎ上がるように思います。

研ぎ降ろしていく時、必ずアールから中腹の間のどこかに関節があります。
この部分を滑らかに研ぎを入れ、調整する。(妖かす感じですね!)

これらの方法が、庖丁切れ刃全体を綺麗に研ぐ一つの方法かと思います。

刃元と中腹の関節は、刃元から1cm~2cm付近に出てくるので、これも同様に
調整して綺麗に仕上げます。 あまりにも関節が大きい場合、刃元の研ぎは
控えめにして、後々の研ぎで砥石に当たる事を想定しつつ置いときます。
(研ぎ育てるイメージです!)

ちなみに、出刃などでハマグリ刃にすると、鎬筋から刃先までにアールが
出来るので、また違ったアプローチが必要になってきます。


洋包丁は、和包丁ほど繊細に研ぎ掛かる事も少ないですが、ひそかに関節
があります。 刃元が上がってきたりする庖丁がありますが、関節が原因かも!
洋に関しては、そこまで考えていないので、追々調べてみようと思ってます。


あ~ 海に行きたい! 魚を触りたい! 
今日の天気は、そんな気分にしてくれました。。


あっ そろそろ鱧ですね!! 上田さ~ん(^~^)b

最近のマイ・ブーム


最近の研ぎでハマっているのが、砥石の番手ぶっ飛びです。

#500もしくは#1000から#8000以上に、すっとびます。

短時間で綺麗に研ぎ上げる事を思えば、順番に番手を細かくするべきですが。

素早く確実な鋭さを得つつ、滑らかな感じに仕上げる方法として、この方法が
以外に効果があって、見た目キレイで、男らしい切れ込みが出ます。
しかも!それによって、長く切れ続くようなので、研ぎによって鋼材の持つ
ポテンシャルをアップさせる事にもつながりそうです。

先日、上田師範が久しぶりに庖丁を持って来社!

「まだ、全然切れてるわ〜」っと言うので研がなくて良いのか??っと思ったら
「研いでよ!」って事で、師範が来なかった期間に試していた事を実践!
 
銀三鋼の柳刃でしたが、研ぎ上がりで鋭く切れる!って感じの刃が付きました。
師範も「切れそう〜」っと。。 後はコレがどれだけ維持するかです。
たぶん、結構な刃持ちすると思ってマス。。

1本の砥石で良い刃を求めると相性が必要になりますが、ちょっとした工夫で
相性とか関係なく、良い刃を得られるように感じてきました。

ちなみに、切刃の構造は刃の通り抜けを調整する事に徹する!
刃の掛かりと切れ込みは、刃先の鋸刃を確実に研ぎ出す事!
この2点を考えて研ぎを行えば、自分で刃を付けた!!っと言えそうです。

なんとなく、砥石と庖丁を擦って、最終的に刃が付きました!!っと言うより
研ぎに関してはバリエーションが増えそうに思います。


■ご連絡■
明日、一身上の都合により新潟へ行きます!メール等の返信が遅れます。。
よろしくお願い致します。

洋庖丁の研ぎ



久しぶりの更新です。。。

GW、皆さんはドコかへ行きましたか???

僕は後半の休みは、発熱で寝込んでました^^;
団長からは、「日頃の行いが悪いんじゃ!!」っと笑われてみたり・・。

おかげさまで、今日から普段通りの元気な状態に戻っています。
久しぶりに熱が出ると、復活に時間が掛かるよ〜な。。


で、、 タイトルの「洋庖丁の研ぎ」ですが、特殊な洋出刃やサバキは
別として、牛刀、ペテ、筋引の研ぎを幾つか考えています。

薄く研ぎ上げれば、スカっと抵抗無く切れ込むが、切れ込んだ後の張り付き
食材との密着による抜けの悪さで、切れ味が悪く感じる事があります。

薄く研ぎ込む時に、荒砥石でブレードを荒らしておけば多少の隙間が出来て
抜けるようになるかも知れませんが・・・。


それはさて置き、薄く研ぎ込む以外に抜けを良くする方法を模索しています。
しかも!普通の角砥石で、作り出す方法です。
まだ、机上の理論で実践していないので、なんとも言えませんが、ちょっとした
工夫で、必死にグシグシ刃を薄くする作業を軽減出来るかも知れません。。

手っ取り早いのは、穴空き庖丁やディンプルの庖丁を選べば解消出来る話なんですが。。。

洋包丁は、研ぎにしても、使うにしても、自分で角度決めなければならないので、
万能に研ぎ、使う事が出来ても、ある一点を狙うのは和庖丁に敵いませんね。。
プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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