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カエリ取り


包丁が切れる研ぎは、カエリ取りで決まるように感じています。

もちろん、刃先を薄く研ぎ上げて切れ込みをスムーズにする事も重要ですが、
単に薄くするだけなら、時間を掛ければ何とかなるので、薄く研ぎ上げた後の
刃先の処理が重要であると今は考えています。

粘りのある鋼材、青鋼系やステンレス系は、特にカエリが取れにくいので、
この部分を上手く攻略出来れば、昨日までとは違う驚きの切れが出る事があります。

裏押しの最終工程で左右に揺する研ぎもメラミン方式も、カエリ相手の工程です。

でも、やっぱし砥石でパリっとカエリを取りたい場合、どうしたら良いのか??

その一つの答えとしては、最後の最後で砥石を面直しして目詰まりを一掃する事です。

研ぎ終わる時はそれまで研いでいた延長で終了するかと思います。
この時、砥石の面には、それまで研いでいた包丁の研ぎカスなどで砥石本来の面では
無くなっている事が多いです。 言い換えれば、砥石面に薄い皮膜があるような感じ!
(鉄粉などでコーティングされて、砥石本来の砥粒が表面に出て無いと思う。)

これを一度綺麗に除去してから最終研ぎを行うと、かなり違いが出ます。
糸引刃などは、効果絶大で表の糸引きする前に面直し!
研ぐと絶対砥石面が包丁研磨により黒くなるから、裏押しする前に再度面直しw

ベタ研ぎする方にも有効ですが、面を直してしまうと多分ベタ当たりしなくなるので、
砥石面の黒いのをサビトールや名倉砥石などで除去して研ぐと効果が得られます。
この場合、シコシコ研ぎを行うと同じ事なので、一往復でキメるつもりで研ぐ!!
しかし、砥石の状態が変わるので、研ぎ目が変わって見た目が綺麗に成らない可能性は大です。

糸引刃は、刃先だけなので切刃への影響は少ないですが・・・。

これが出来る包丁と、出来ない包丁があるので、お時間のある時にご自分の包丁でお試し下さい。

今日の研ぎ修理


今日は、白鋼油焼の薄刃と銀三鋼柳刃の研ぎ修理を行いました。

白鋼油焼は、刃先が波刃のパン切みたいに複数箇所欠けていて、
到底ダイア砥石では太刀打ち出来ないので、水砥を引っ張り出して
機械を使って欠けを取る作業と刃を薄くする荒研ぎを行いました。

油焼と言えども、本焼なので刃が薄くなってくると緊張しますね^^;

その後、ダイアで切刃を整えた後、#2000を使いダイア傷を消し、
#4000中仕上、北山、#12000超仕上で鏡面風にしてみました。

油焼は水焼より甘いと言われる事がありますが、今日感じた感想では、
最後のカエリが、取れにくい事が甘く感じる要因になってそうです。
確実に取れば、水焼きと遜色無い鋭さが出ます。
一手間加える必要があるけど・・・。

単純に研いで、パリっと刃が付く水焼の方が簡単に刃が立つので、
細かい事を無視して考えれば、水焼に軍配があがるかも・・・。
実際問題、油焼と水焼を二本並べて研ぎ比べたり使い比べないと
違いは解らないと思ってます。



銀三鋼は、切刃がもっちゃりしていたので、水砥でガ〜っと研ぎ抜きました。
機械があると早く仕上がります!
預かった状態よりも、抜けを良くして刃の強度はそのまま!っと言う研ぎをしました。

今回の銀三鋼は、実践的な刃付けをしてあった。
この場合、変に刃の性格を変えるような研ぎをしない方が良い場合が多いと感じています。
劇的に変えて欲しい人は、研ぎ修理内容を伝えてくれます。

油焼薄刃は、使用者の使い方は使用環境が解っているので研ぎ易かったです。

銀三鋼は色々な小売店を回って入って来たので、石橋を叩いて渡るような研ぎで終えました。

縁あって!


さまざまな縁あって、釣り雑誌SWにて「酔心魁」と酔心を紹介頂きました。

プレゼントコーナーに、協賛品を出品しております!

87f4715f-s.jpg

釣りされる方で、SW愛読者の方は振るってご応募ください!


さて、大阪で僕が暮らす地域は台風が無事通過したようです。

連休でしたが、台風の影響で海釣りにも行けず、、、釣具屋へ行きましたw

そんな台風接近にも関わらず、釣りに出掛けた父親からタチオウを頂戴した。


バンバンっと切り落として、塩焼きにすれば良いのですが、時間を持て余してた
事もあって、三枚に卸してみました。
背ビレ側の骨はいいけど腹側の下骨が隠れてて食べにくいので、ボンレスに!

タチウオ捌きはH団長方式で、頭側から肛門までと、肛門から尻尾までの2分割にして三枚卸!
家の台所では、この方が魚の取り回しが良いです。

2014-10-13-1.jpg

A面は上手く出来たので写真を撮った!B面は中骨を通りこしたので・・・。

写真の小出刃は白三鋼のキズ物、、昨年の夏から一度も研いで無い(^^;
この包丁で捌いた魚を言えば、小鯛、キス、秋刀魚、イサキ、アオリイカのみ。

小手先の効く良い相棒ですが、タチウオの腹骨透く時に、刃が滑って往生しました。
切ってるのに空振りする感覚はイライラしますね(^^;
柳刃で透けば良かったかも!

出刃は一切欠けてないので、糸引き&裏押しで復活すると思う。。 
数分で終わるのに何故か家の包丁は研がないw なんでやろ~。

ボンレスとなったタチウオは、一夜干とムニエル(皮パリパリ仕様)になりました。

骨を気にせず、思いっきり口に放り込めるのは良いですね!
もしも、骨があったら自分の責任でもある。←自業自得

ご使用後は!


包丁の説明で、

「使用後は中性洗剤などで良く洗い乾いた布巾で水分を拭きとって下さい。」

っとありますが、、、この使用後とは、、切る作業を終えた後は!っと言う
意味ですよね? 全ての調理が終わってから、もしくは食べ終わった後では無い。

っと思うのです。

プロの現場では、食材の汁や切りカスなどを布巾で拭う事が普通だと思います。
忙しい現場で、調理中に洗剤で洗ってられないし、営業時間内は切り続けるので
問題無いと思うのですが、自宅で趣味的に&日々の食事に使用した後は、

切る作業が終わったら、まず洗剤で洗うか、布巾で確実に拭う事を薦めたいです。

ステンレス系は、放置しても意外に平気ですが、業務用の炭素量が高いステンレス鋼
を使っている場合、ステンと言えども錆びさせようと思えば錆びる。

プロでも管理が悪いと、INOXでも銀三鋼でも余裕でサビサビにしてる。。
特に包丁と柄の付け根がカスでドロドロです。。鋼の包丁を使ったらどうなるんやろ?


錆びる原因は、食材の汁(灰汁による変色が起きる)切りカス(刃に付いた部分が錆び易くなる)
切りカスは、魚の鱗や繊維質な物でも、十分に影響を与えます。

炭素鋼の包丁は、確実に錆びが出る原因になる。

なぜ、こんな事を言うかと言えば、最近家庭で使用された包丁で修理が良く来ます。
錆びが出ていて、切った後に放置の形跡が。。。。

これ、ネギの輪ですよね?←タコの吸盤が付いてたのかと思った事もあったw
これ、刺し身を引いた後の、切刃に付くモロモロの跡ですよね?

そんなのが、頻繁に見られます。

趣味で包丁を使って居られる方も、ブログを見て下さっていると思いますし、
奥様に包丁を充てがって、その包丁を研ぎ管理されている方も居られると思います。

切る作業を終えたら、包丁を洗う!または、硬く絞った布巾で取り敢えず拭く!
使用後とは、全ての調理後では無いと。。。

これだけで、包丁本体の寿命を長く保てるように思います。


仕事と言えども、サビ取りを頑張ったけど、サビ跡が残って悔しい思いをした
今日の達哉が思った事デス。。 

プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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