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牛刀ハマグリ


洋包丁の本刃付けについて色々考えて試してみました。

事の発端は、両刃の黒打菜切包丁を研いだ所から始まって、
この感じをステンの洋包丁でやったら、、、、どうなるか??

炭素鋼で鍛造によって作られた菜切包丁の硬度はステンに及ばす、、
当然同じように再現出来ず、菜切のように研ぎ込むとフニュフニュになってしまった。
(解っていたけど、チャレンジしてみたw)

唯一近い状態に出来たのがV金10号と10Aのみ(他にもあるかも!)
実践テストでも、強度と耐久性を確認出来たので、これは使える!!

恐らく、日本国内で普及率が高い8Aの場合、どんな風にすれば良いか。。
研ぎ場にNGのSUISIN8Aがあったので実験してみた。

刃を薄くしたいが、、薄くすると耐久性が無くなる。
包丁の抜けと、強度を両立する為には、ハマグリ+糸引か!!

2015-7-28-01.jpg

で、ひとまず、、片刃風に研いでみた。
しかし!これだと、シノギ風になった部分で抜けが悪くなる。
もっとシノギを峰側に上げると、刃先が薄くなってしまうので我慢!!

2015-7-28-02.jpg

そこで、抜けを良くする為にシノギ風になった部分を研ぎ取った。
(写真には見えないシノギは残っているが、スムーズな切れ込みが得られそう。)

本当なら、研ぎキズを消す為に中砥石→仕上げ砥石と進むのですが、、
時間の制約もあるので、一気に仕上げ砥石へ! ま、、当然のごとく・・・・。

2015-7-28-03.jpg

研ぎキズは消えませんw キズの上に艶が出る程度デス・・・。
バフなどを使えば綺麗に仕上がるんですけどね(^^)

2015-7-28-04.jpg

裏は?? 角度45°の強めの糸引刃で、表からの薄さを支えました。
この角度が切れ込みの邪魔をしそうですが、抜けと強度を両立させる為の対策です。
小さな欠けも防止できる!

見た目、中途半端ですが研ぎによる機能チェックは出来そうなので、これを持ち帰りテストします。


アウトレット庖丁


アウトレット庖丁2点WebShopに掲載しました。

270mm柳刃白鋼

300mm柳刃青二鋼

上記2点、日々修行ブログにて本刃付け記事で掲載した庖丁です。

切っ先の段々



昨日の記事で、切っ先の段々について書きましたが、あれから色々考えてみて
もしかしたら、研ぎ方変えたら取れるんちゃうか?? 
っと思い、今日少し時間を見つけてやってみた。

2015-7-9-001.jpg
↑これは今日の包丁↑


こうゆう感じで良いのではないのか??


↓これは昨日の包丁↓
2015-7-8-002.jpg

切っ先アールの強さで、変わるのかな??っとも思ったけど、
今日の包丁の方が、アールが強い事を考えれば、関係無いか。。

昨日の包丁を、もう一度研ぎ直してみようと思います。


研ぎ変更点は、砥石と包丁の研ぐ角度を変えた。
最終に使った砥石を八鹿山から巣板に変えた。←見た目は、この影響が大きいかもw

白三鋼と天然砥石


今日は、270mm 柳刃 白三鋼 土井作 を本刃付けしました。

ずっと、置きっぱなしの合砥石「八鹿山」があったので、これを使いました。
柔らかめの砥石で、軟い青砥みたいな感じで泥が出ます。

2015-7-8-001.jpg

なので、青砥のような研ぎ目が包丁に出ました。
でも、粒度は細かいようで、超滑らかな刃が付いてマス。

故意に糸引きを入れず、そのまま突っ込んで研いだので土井さんの白三鋼と
八鹿山の相性で、この切れが出ているように感じます。
実際に使う為には糸引入れた方が、良さそうな気がします。


ベタで狙いに行くと、必ず切っ先アール付近に研ぎ段が出来ます。
この段を無くそうと思うと、アールが無くなります。
アールの残す為の「ノリシロ」が段となって現れてきます。

これを消すには、砥石泥の中でヌルヌル動かして化粧するか、包丁の上で砥石を動かすしか無いかも。。。

2015-7-8-002.jpg

または、包丁を柳刃から正夫にして、直線気味の刃先にするか!! です。
たぶん切っ先が鶴首にも成りにくいかも!!

2015-7-8-003.jpg

色々事情があって、アゴは飛ばしました。 
アゴで手を切る(刺さる)事もあります。
怪我予防にもなるw 

研ぎ上がりの、予想が立てにくいですが、やっぱり天然砥石は良いですね(^^)

白一鋼からの〜10A鋼


先日送った白一鋼鎌型薄刃のインプレッションが届きました。

良く掛かるなぁ〜っと思っていた通り!

今までに無い掛かりと切れを感じられたようで、研ぎ方などを聞かれました。

そもそも、切れる感じがリンリンっとあったので、出荷前に刃先を触る必要は
無いかなぁ〜っとも思ったのですが、表糸引&裏刃を軽く調整だけした結果です。

ベタで薄く研ぎあげた包丁以上??の掛かりを、糸引きを入れた刃で再現する
刃付けです。糸引が入っているので、薄さによる切れ込みはベタには負けるが、
刃先にチカラがある分、簡単に欠けたりはしない。。。

ベタ研ぎにする為の時間と面直しが必要無い!包丁が減らない!そんなメリットあります。


それで、昼前に上田師範が包丁メンテナンスにやって来ました。

今日は、牛刀と筋引、ホームセンターに売ってそうな出刃の3点です。

牛刀はSUISIN-INOXの8A 筋引はSUISIN-SP-INOX10Aです。


牛刀8Aは、まあまあ、包丁に合った刃付けで、滞り無く切れる感じに!
上田師範好みでは無い、優しい刃当たりに仕上げました。
(好みでは無いが、こっちの方が長く切れるようですw 理由は解明済み)


筋引10Aは、白一鋼鎌型薄刃で学んだ事を実践 
炭素鋼とステンレス鋼では、鋼材の違いが出るのですが、仮定では同じように
出来るハズなので、上田師範には様子を見て下さい、結果教えて下さいで渡しました。


先ほど、休憩中の上田師範からメッセージが届きました。。

「お疲れ様10A筋引きメチャメチャ切れるけど、何したん?」
「まるで違う包丁みたい!」

っとの事。。

この10Aは、刃先のノコギリ刃調整とカエリ取り。
上田師範は気が付いているか解らないけど、刃先の構造を少し変え、
1mmぐらいの切刃を加えました。

上田師範の包丁使いで刃筋を通せるならば、これを味方に出来るかもww
っと言う、こちらの一方的な研ぎでした。

この研ぎは、もう少し使ってみて可能性を考えたいと思います。

白一鋼と砥石台


剣型柳刃 白一鋼水本焼
鎌形薄刃 白一鋼本霞 
これら2丁を仕上げました。

2015-7-2-01.jpg

やっぱり、白一鋼は別格ですね。。。

本焼の方が、しっとり感があって鋭さの中にも優しさを感じます。
本霞は、パリっと感が出ています。

包丁を作る時、どれくらい熱を経験するか!!
これによって、性質が少し変わるようです。

軟鉄と鋼を鍛接する時には、結構な熱が掛かるようで、その熱で痛んだ組織を
トントン叩いて修復するそうです。 だから、低温で鋼付けをした方が良いと言われて
いるのですが、温度が低いとアイケの原因にもなりますね・・・。

本焼は、単純に包丁の形に伸ばして行くだけなので、温度を上げないで淡々と
包丁造りをするだけなので、組織が痛まず鋼材本来の特性を発揮出来るそうです。
ただ、低温で火造りする為、形状を作る為に時間を要します。そして焼き入れが難しい。。

その言葉を信じるとすれば、しっとり感は白一鋼本来の性質なのかも知れません!

硬さ的には、違いが無いように感じますが、本焼の方が粘りがあるから研いだ時に硬く感じます。

こんな事を書くと、白一鋼は全て同じ仕上がりになると思われる人が多いかも知れませんが、
鍛冶屋さんによって性質が変わります。 パリパリに焼く鍛冶屋さんも居ますし、青か??っと
思う程、まったり焼く鍛冶屋さんも居ます。 
この性質(相性)が板前さんの感覚と合うか合わないかで、包丁の評価が変わって来そうに感じます。

白鋼関係に差が出やすいかも知れませんね!

今回の鎌形薄刃は、切れ過ぎる感じがするので、ちょっと恐いですw

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プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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