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職人と調理師と作家と

今日は、お昼から広島の大学で刃物造形をされている方と堺の工場見学に行きました。


それとは別件で??上田師範も会社に来られていて「俺も工場みたい~!!」って事で
急遽3人で工場を訪れました。


100317-1.jpg

刃物造形作家さんは、火造や鍛造の温度などを熱心に見て、質問してといった具合に
専門的な方向でのアプローチ。 師範は、物を作り出す職人としての所作を見学、確認!


いわば、異色の工場見学隊であるのですが、土井逸夫氏は丁寧に説明解説、そして実演。。
知ろうとする姿勢なのか?? 自分のお仕事を置いて、、いつもより多くの作業工程を見せて
頂きました。 あまり多くを語らない職人さんでありますが、自分が今行っている事を細かく
説明しつつの実演でした。 いつもながら、本当にありがとうございます。


作家さんの感想としては、こんなに丁寧に作られているとは思わなかった、との事。
プレスで抜いて、ガ~って削って! という感じの工場を見学されてきたそうで、大変勉強に
なったと言って頂きました。

また、凄いなぁ~っと僕が思った事は、大学などの研究施設で造られた刃物の結果と、刃物工場
で作られた包丁の結果は、違うと言う事をおっしゃっていた事! 彼も研究者であり作家である
けども、根本は職人(作家?アーティスト)であるのだと思いました。

鋼に関しての文献など、とても参考になるのですが、やっぱり現場とは少し違いは出ますよね。


師範は、職人っていうのは皆似てるなぁ~っと。
完成系が見えていて、それに向かって最良の手順を試行錯誤して意味のある作業をしている。
っと言った感じでしょうか。。 料理人であれば、最後に盛り付けたイメージが無いまま包丁を
入れる事は無く、そうしたい為に、こうする!  そんな仕事振りが、やはり通じる物があるなぁ~


僕は、横で見ていて、違った角度から見学するお二人を見ながら、なるほどなぁ~~。。
って、見ながらチョイチョイ工程の説明をしつつ。。。


100317-2.jpg

工場の外でも、話が弾み! 作家さんの作品も見せて頂きまして(^^)b
ナイフが好きな方なら、ワクワクしますよ! 一緒に面白い事がしたいなぁ~って思います。




っと、、このまま終了!
の予定だったのですが、刃付組合理事?会長?さんの小田幸徳氏が偶然工場に
居られたので、「ちょこっとだけ、見学させてもらっても良いですか?」っとダメもと
でお願いした所、OKを頂きまして、急遽刃付けの工場も見学!


100317-3.jpg


小田さんは、昔からの刃物事情や刃付屋ながら鍛冶屋との連携についても深く考える職人です。


最初は、工場の内部を見るだけ~って感じだったのですが、これまた仕事終わったにも関わらず
一本の包丁を荒砥に掛けてくれて、実演! 木砥当ての実演までして頂いて感謝です。


ここからは、上田師範と小田さんのトーク炸裂。。
ビデオまわせば良かったなぁ~って思うほど濃い内容でありました。
刃付け職人と実際に調理する料理人の話は深かった~~。

小田さんも、駆け出しの頃に寿司屋さんに行き料理人の包丁使いを見て、どんな風に
研ぎ上げれば使い易い包丁になるかを考えたそうです。 
研ぐだけではなく、その先をも見据なければ一流の刃研師とは言えないのかも知れません。


も~書ききれない程に沢山の内容だったので省略でつ・・・。


職人さんが、何を考えて包丁造りをしているのか?
目に見えない苦労は工夫、それなりの値段がついた包丁は、それなりの工程や手間が掛かって
いて、全てが同じでは無い事を、伝える事はとても重要だと感じました。


あなたの包丁には、どんな工夫がされているか!
職人がどれだけ、あなたの事(使用者)を考えて包丁を作ったのか?
そんな事、知る必要ない!って思う方も居られるかもですが、知って欲しいと思うのです。


あ~ 長くなったけど、アレコレ書いてしまいました。。


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そうなんです・・

私は腕に見合わない包丁を使っています。
使いながら、研ぎながら職人の意気込みを感じるようにしています。
粗末にしては失礼だと思うのです。
良い道具を使いこなせれば良い料理が出来るだろうと・・発展途上です。
職人技が絶えないことを祈ります。

コメントありがとうございます。

庖丁への思い、職人さんも喜んでくれると思います。

色々と難しい世の中ではありますが、皆良い庖丁を作ろうと
努力しています。
一人でも多くの方に、職人に思いを伝える事が出来るよう、
職人さんの事も日々修行で紹介出来たらと思います。
 
プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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