薄刃研ぎ直し

河豚天丼です。。。もちろん上田屋の逸品です。
超旨かったですが・。。最近食べてばかりのブログ記事な気がするので、
包丁屋的ブログに戻るべく修理で預かった「鎌型薄刃」の欠け研ぎ直しを少々・・・。

冷凍食品を切ってしまったのだと・・・。
片刃の薄刃では太刀打ちできません!

軽傷ですが、それなりに欠けてマス。。

赤線部分の刃は全て捨てなくてはなりません。
もったいないけど・・・仕方が無い(><)b

切り刃を狭める=シノギを上げるのが基本です。
新品と同じ切れ味を維持するには、シノギを上げなければなりません!
しかし、この包丁の持ち主は家庭で使用との事なのでシノギを上げないで、
刃先を薄く+糸引+ハマグリで仕上げる事にしました。

欠けを荒砥で欠けを取っていきます。 写真では、欠けが残ってマス。。
ここでしっかり研ぎ取っておかないと、次のステップで振り出しに戻る事に・・。
少しでも減らしたく無い+しんどい(><)っと思っても、ここでしっかり取る。

超段刃になっています。出刃並です(笑)
この状態から刃先を伸ばして薄くして行きます。
通常の研ぎ(切刃を研いでカエリを出す方法)で欠けを取るのも良いですが、
砥石の減りや反り、形状を変えたくない、時間が掛かる!の理由で一気に
欠けを研ぎとってしまうべきだと僕は思います。

荒砥を使って、シノギ筋から刃先までを均して行くと共に刃先を薄くして
極端な段刃を研ぎ抜いていきます。 荒砥でやり過ぎると研げ過ぎるので
少しでもカエリが出たらSTOPすべし! カエリ出ても続けると形状変わります。

ハマグリ刃にするので、この時点でハマグリの源を仕込んでおきます。
鋼部分だけを角度を変えて研いで(立て気味)切刃の中に薄いシノギを
仕込んでおきます。 これが極端を角度にすると、抜けが悪くなります。

その状態から、中砥をシノギからペタ~っと当てると刃先部分(仕込んだ部分)
には中砥が当たりません。。角度を変えているので当然ですね!!
もちろん刃先は荒砥の目が残っているので中砥で研ぐのですが、切刃のシノギを
潰さないように研ぐ事が重要です。 軟鉄部分と鋼部分の角度を変えて研いで
中砥での仕上げ研ぎで、ハマグリ部分でローリングしてあげます。
ローリングする!!っというとクニクニをイメージするかと思いますが、
言われなければ解らない程度ですので、ここは感覚でお試し下さい。
注:刃先は真っ直ぐな状態を保つのが基本です!

カスミッシモにしたいので、刃先だけ仕上げ砥を当てます。
そもそも切刃の中にシノギがあるので作り易い。。
少しずつ刃先だけを仕上げ砥で当ててコントラストを付けます。
これは見た目だけ。。の事なのでお好みでどうぞ(^0^)

包丁自体がとても汚れていた!錆びや油が染みていた?のでクレンザーと
青棒を使って綺麗に磨いてみました。
鏡面にしなくてもピカピカの包丁な方がいいですよね!!
お客さんもピカピカしてる方が嬉しいやろうし♪
平部分と裏側を綺麗に磨きました。
薄い錆びは流石に取れませんでしたが、見事復活です!!
最終小刃合わせで糸引きを加えて完成~~♪
荒砥 GC#220
荒砥 ダイアモンド#500
中砥 キング標準1000
仕上げ砥 北山8000?
糸引用に 嵐山5000?