研ぎ修理
昨日から、研ぎ修理のラッシュがありまして、主に家庭用ではありますが
持ち込みが続きました。 ステンレスの三徳庖丁や牛刀などは容易いのですが、
和庖丁が来ると家庭用と言えども大変です。
何が大変かと言うと、錆です。。

写真は柳刃庖丁の裏面です。。受け取り時は錆で真っ黒だったので、
どんなもんかと裏押ししてみましたが、浸食は激しく・・・。

ポツポツをと穴が開いています。 まるで虫歯の様に奥深く・・・。

表の鋼部分にも見えにくいですが、黒い点々があります。
当然穴が開いている状態なので、ここまで研げば穴に到達して欠けた様になる。

表は研ぎ込めば、なんとか無くなるのですが、裏の比に付いた穴は除去出来ませんでした。
(これはバフで裏面を磨いた後の写真です。)
裏面も一気にガ~っと機械で研ぎ下ろせば消えますが、それと同時に鋼も無くなります。
やり過ぎると、鋼が薄い包丁の場合、地金(軟鉄)が出てくる事もあります。
だいたい、家庭用ランクの庖丁になると鋼が薄く入っている事が多いので注意が必要です。
なので、裏面は錆が付かないようにしなければなりません!
錆を見つけた瞬間、サビトールなどで除去する事をオススメします。
ほんと、腕に蚊が止まってパチンっとする位の勢いが必要かも知れませんね。。
”最後の写真にある黒い点の錆スポットまで庖丁が減ってくると、ここで欠けたようになります。”
さて、肝心の研ぎの話しですが、恐らく白三鋼の庖丁だと思うのですが、非常に
柔らかくて研ぎ易かったです。 もう~どんな形にも研げる印象を受けました。
”日立の白三鋼じゃ無いかも(爆)”
本職用の白二鋼や青二鋼が、いかに粘り強く硬いのかを感じました。白三鋼も硬い印象があります。
これは叩いているからなのか、焼き入れの問題なのか定かではありませんが、
同じ砥石セッティングで研いで、しっかり差が出るので、本職用に作っている鍛冶屋さんの手間や
技術は流石だな、、っと感じました。
幸い、今回研いだ数本の和庖丁には極端な歪みも無く裏の比も出ていたので助かりました。
っと言うか、多少の歪みや狂いも研いで調整出来るんかも知れませんw
シノギ筋も、簡単に上げれたので少々強引に自分好みの切刃構造を造り易いです。
庖丁は研がないと切れないですし、研いだ分だけ答えが出るので、重要な部分ですが、
最終的にプロの現場では、切れ味の耐久性などが求められると思います。
っと、家庭用の庖丁なんて~ っと感じられるかも知れませんが、家族の分だけの刺身を
切り分けるには、十分なポテンシャルを持ってマス。。 研ぎ上がった庖丁はメチャクチャ切れます。
それを考えると、使用環境などに合った道具であって、研ぐ気があれば誰でも簡単に研げる
家庭用和庖丁としては、優秀な庖丁達だと思います。
さて、これから本職用の庖丁と砥石の上で話し合いしてきますw