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初期ロット疾風


土井敬次郎氏と始めた疾風シリーズの初期ロットが修理で戻ってきました。
2002年に製作された物で16年間現場で使われてきた1丁です。

2018-9-12-1.jpg

270mm柳刃でしたが、寸法は240mmにまで短くなって、切っ先形状が変わっていました。
持ち主の方が、丁寧に砥がれていて錆びなども無く、良好な状態です。
鶴首にならず、切っ先を上げる方向で使われています。

研ぎとは、別のメンテナンスでしたが、砥ぎたくなってお客様に確認後リフレッシュさせて頂きました。

2018-9-12-2.jpg

切っ先は良く効くように、峰から研ぎ下ろして調整。
それに伴って、切っ先の切刃が狭くなるので、シノギを上げました。
もっと上げたかったのですが、無理に減らす事もしたく無かったのと、お客様の今後の研ぎを
想定して、必要最低限で抑えました。

パンっと張った、良い包丁ですが砥石乗りが良く、研ぎ易い包丁です。
土井敬次郎氏が打った包丁の特徴が、ハッキリと解る1丁でした。

敬次郎さんが、言っていた「こんな包丁が作りたい!」その物です。

2018-9-12-3.jpg

流石に、裏刃は広がっていました。
これを修正するには、裏の比を取り直す必要があります。

包丁の形として完全に修正するならば、この部分も調整が必要ですが、
裏の刻印も消えるし、鋼も少なからず減るので、このまま使う方がBSETだと!

長く切れる包丁は、研ぐ回数が減ります。
完全に切れ止む前に、仕上げ砥石を当てれば鋭さは戻ります。
切れ止んでから研ぐと、サイクルが変わるだけで本当の良さは得られません。

それなりの金額はしますが、それ以上の価値はあるのではないでしょうか?

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No title

う~ん、地金と鋼の色合い、美しいです~。
持ち主様、まず鶴首でないところからしても形を意識された研ぎをされてますね~。
しかし、青木さんの仕上げ、さすがの研ぎ技術ですねぇ。いつか近づきたいものです。
ところで、この仕上げは「北山」ですか?

No title

連続コメすみません。
改めて写真を拝見しますとG-1でしょうか?
いずれにしましてもこの仕上がり、泥を生かしきって研がれているんでしょうか。
すごいです~。

お疲れ様です。

16年ですか、よくその姿で返って来ましたね。
人間なんか16年も経てば・・・
敬次郎さんもさぞお喜びでしょう。
読者としても嬉しい記事です。

一瞬、裏押しが!と思ってしまいましたが、自分の包丁の16年後を考えると人のことをとやかく言えそうにありません。
でも、酔心疾風なら長々切れ止まないので、10年や20年は十分使い続けられる気がします。





Re: No title

わんきちさん

そうですね、土井敬次郎氏の包丁は軟鉄の柔らかさと鋼の硬さが絶妙で、
半ば自動的に綺麗なコントラストが出ます。

砥石は鋼部分を北山で、霞部分は#10000を使用しました。
#10000は泥でトロトロで撫でている感じです!

G-1でも同じ事が出来そうですが、霞みやすい砥石の力を借りて
時短しています!

Re: タイトルなし

ゆうじさん

そうですね、だいたい16年も経てば、サビが深く入っていたり
形状が崩れたりしていますが、切れなフォルムで帰国しました。

大切に使われているのが解ります。
包丁をみたら、その人の料理が解るといいましょうか・・・。

裏押しは狭い方が、片刃として鋭い切れ味が出ますが、
これくらい広がると、ガンガン使えるようになっていると思います。
強度が出るというか、刃にコシが生まれるといいますか。。
プロフィール

TATSUYA AOKI

Author:TATSUYA AOKI
大阪堺の包丁屋で働き、試行錯誤を繰り返す男です。

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